第29話 侯爵家10
「ゴブ~」(よく寝たゴブ~)
「ミセッティ!起きたの?まだ横になってていいのよ」
「ゴ~ブ」(クッキーの食べ過ぎと緊張で疲れたゴブ)
ぴょんとソファから飛び降りて背伸びをしてみる。もうどこも痛くないゴブ。
「今日から正式にお嬢様とミセッティ様の世話をいたします、カタリナです」
「同じく今日から専属護衛となったライアンっす」
2人がうやうやしく挨拶をしてきた。
「ゴブ」(よろしくお願いいたしますゴブ)
この2人、短い付き合いだがかなり優秀だゴブ。お嬢様も安心ゴブな。
「私、マリーも引き続きお側で仕えさせていただきま~す」
・・・まぁボケ担当のマスコットが1人くらいいる方が場がなごむゴブしな。
わたし?もちろん仕事が出来る優秀な従魔としてお嬢様を支えるゴブ。
何と1月に大銀貨1枚の給料がもらえることになったゴブ。
衣食住、3食付きでお金ももらえるなんてゴブリンの洞穴生活に比べたら天国ゴブ。
「ゴブゴブ」(この際なんでお嬢様の家族のことを教えてほしいゴブ)
情報を制するものが世界を制するゴブ。
「そうですわね~。私には姉が2人おりまして、大姉様は4年前に結婚されています。2番目のお姉様は5つ違いで王都の学園に通われています。私は今は領都の学校に通っておりますが、来年から王都の学校へ入学予定なのですわ」
こっちの世界でも一応、義務教育期間があるようだ。
初等部:元いた日本でいうところの小学1~3年は全員が通う義務があり、各領を治める貴族が経営することになっているらしい。
四則計算や文字の読み書きを中心に簡単な法律まで勉強するとか。
中等部:小学4~6年で貴族や生活に余裕のある商家、有力地主さんたちの子供たちが通い、ほとんどの子供たちは通わずに労働力として親の仕事を手伝うようだ。
お嬢様は中等部3年生。つまり小学生6年生ってことゴブな。
高等部:中学校ってことゴブな。ただこっちは一般教養な内容ではなく、貴族科、騎士科、内政科、工業科などかなり専門的な分野に分かれていてまるで大学のようゴブ
そしてこっちの成人は16歳だったゴブ。
計算が合わないな~と思ったら、15歳~16歳の1年は準成人として各方面の親方や組織に弟子入りし、自分の適性を試す期間だそうな。
その間はどれだけ入れ替えても怒られなく、自分の生涯の仕事を探すそうな。
なかなか良くできた制度じゃないかゴブ。
まぁ貴族や大規模商家の長男、工房の跡取りなどは選択の余地はないらしいが。
貴族の次男以降は腕に自信があれば騎士科、学問が得意なら内政科ってところゴブな
「お父様は現在ここから2日で行ける王都で宰相補佐をされておりますわ。とても忙しくなかなか戻ってこられませんの」
「お館様は元は子爵家の長男であらせられましたが、高等部の生徒会で書記として入られたところ副会長であった1つ年上のお嬢様がとても気に入り大恋愛の末に結ばれたのです」
「あ~それ知ってます~。高等部入学から常に成績1位のお館様を最初から狙っていたとか~。すごい噂になりましたよね~。軍閥派閥4公と呼ばれるコスタリア家が学問派閥の格下貴族を婿入りさせるとか~。王子との婚約も噂されていたお嬢様がまさか敵対派閥と婚約されるとか。まわりの軍閥派がすごい反対したとか~」
「奥様のすごいところは大お館様を説得されただけでなく王妃様を味方につけ一気に話を進められたところですね」
「そこにお館様本人の意向は全く関係なくて決まっていったっていう話っす」
「お館様は長男だから自分の領地に帰って内政するつもりだったらしいっす」
「でもお父様のお父上様は何も反対されなかったと聞いておりますわ」
「ははは、コスタリア侯爵家に弱小子爵家が面と向かって文句言える訳ないっす」
「あなたたち、少し口が過ぎますよ。世間ではお互いの一目ぼれの大恋愛ということになっているのです。奥様は今でもお館様の前では猫のようにかわいくなるのです」
「あはは、本当に自分の欲望に正直なところやおもちゃを見つけると夢中になるところとか猫みたいっす」
「あなたはもう少し忠実な番犬になるよう努力なさい」
補足
お金の価値
金貨 10万円くらい
大銀貨 1万円くらい
銀貨 5千円くらい
小銀貨 千円くらい
あとは銅貨、鉄貨など
庶民は普通の生活では金貨は使わない。
大きな買い物や結婚式など特別な日に景気付けで使う。
さらに貴族などが儀式的に使う聖銀貨(プラチナ硬貨)などもある。
確かに子供が月1万円のお小遣いは大きいですね。
主人公は知力1になっているので基本的に能天気になっています。




