第22話 侯爵家3
「お父様は王都に行かれているのでまずはお母様とおじい様に紹介いたしますわ」
「その前に私と契約した従魔としていろいろな決め事を確認しておきます」
「ゴブ~」(まだその設定でいくゴブか?人としてウソをつくのは良くないゴブ)
「うぐっ。ゴブリンに人としての道を注意されるとは・・ですわ」
「ふふふ、しかし私は人であると同時に責任ある高位貴族家の一員でもあるのです。貴族には少し道を外れようとも、国のため民のために選択しなければいけないこともあるのです!」
「ゴブ~」(一晩経って開き直ったゴブ)
「確かに魔物をテイムできるというのは貴族にとってそんなに値打ちのあるスキルではありません。しかし幼なじみやかなり年下の子供たちまで剣術のスキルがあっただの魔術のスキルがあっただのとお茶会の度に聞かされてお母様は肩身の狭い思いをされていたのです」
「お嬢様!良かったです~。必ず何かお持ちなのはマリーは信じておりました~」
「これでもう図書館で調べものに付き合ったり、ダンジョンに潜ったり、魔物狩りに同行せずに済みます~本当に良かったです~」
「ぐすっ。マリー。信じてくれていてありがとうですわ」
がしっと音がするくらい強く抱擁する姉と妹のような美少女2人、絵になるゴブな~
雇用関係の垣根を越えた美しい友情を見せてもらったゴブ。
・・・スキル探しが結構イヤだったような発言もあったが気のせいゴブ。
「それで私は一晩中考えて[たとえテイム出来ていなくてもサインで意思を伝達し従魔を立派に使役いたします一覧表]を作りました」
「さすがお嬢様。考えることがすでに計算高い上級貴族のようです~」
「ゴブ~」(もういやな予感しかしないゴブ)
「この紙の内容をお母様に会う午後の休憩までに覚えるのですよ」
おおっ。すでにこの世界では紙とインクが一般化しているのか。
あの女神は文明が停滞気味だとかいっていたが結構文化が進んでいるじゃないか。
「・・・ゴブ」(文字?なのかな。分からん)
渡された紙には古代語のような記号がならんでいて、ところどころ消したり付け加えたりしていて完全に暗号化している。
言語理解スキルの恩恵は言葉だけなのか?
だとしたらまた一から単語と文法を覚えなおさなければいけないのか・・面倒ゴブ
「こちらが清書したものになります」
少し年配のメイドさんが新しい紙を渡してくる。
「ゴブ!」(字が汚いだけだったのかゴブ!読めないから焦ったゴブ!)
こっちのメイドさんはマジで優秀だな。アレを読み解いたのか・・・
「もう~お嬢様~。だから文字を書くのをもっと練習して丁寧に書くようにといつも先生に言われているじゃないですか~」
「分かってるわよ。それにマリーだって2つも上なのにもっとひどいじゃないですか
それに私、書くことより読むことの方が得意なのです」
お嬢様は勉強が少し苦手なようだ。
読むことや話すことは楽勝でしょうよ、翻訳スキルがあるからな。言わないけど。
「ゴブ」(ふ~面倒だけど付き合ってやるゴブ)
1.右目をつむったら良しの合図
2.左目をつむったらあいまいにする合図
3.両目をつむったら否定の合図
4.右ひじをさすったら傍にすぐ来る
5.左ひじをさすったらその場から離れる
6. ・
7. ・
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20.ひとさし指をくるくる回したら回復魔法
ふざけんなゴブ!
こんな野球のサインみたいなのを20項目も覚えられないゴブ。
こっちは知力1やぞ。
途中から読むのも面倒になったわ。
「ゴブ~」(普通に言葉が通じるゴブ。そっちは本当に全部覚えてるゴブ?)
「も、もちろん覚えておりますわよ。くるくる回したら回復魔法ですわ」
「とりあえず渡した紙を返していただきますわ」
「こちらに1枚お嬢様にご用意してあります、小さくメモ書きにしました、どうぞ」
このメイドさんマジで優秀だな。
「わたしにも1枚欲しいです~」
「ゴブ」(お前は少し黙っていろゴブ)




