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第7話:罠と選択

森の奥、木々の影が揺れる中、翔子は石版の矢印と砂文様を照らし合わせていた。

「…この方向、なんだかおかしい」

足元の土はわずかに不自然に盛り上がり、葉が踏まれた跡が乱れている。


ロンが周囲を見渡し、低い声で言う。「罠だ。誰かが後から動いた痕跡だ」

翔子は眉をひそめ、心臓が早鐘のように打つ。論理と現場の情報を組み合わせると、行く手に危険があることが見えてきた。


遠くの木陰で、かすかな笑い声。田辺圭だ。

「二人とも、進むか引くか――どちらにする?」

声は遠いが、意図は明確だった。圭は心理戦を仕掛け、二人を混乱させようとしている。


翔子は手元のメモを見つめる。

「文献はこの方向…でも現場は違う。どちらを優先すべき?」

ロンは短く頷き、「直感も加えれば、安全に進める」


二人は深呼吸し、慎重に選択を決めた。

砂文様の微妙な傾きと土の凹凸を手掛かりに、進む道を定める。


森の奥で、葉がさらに激しく揺れ、風に混じる微かな声。

翔子はペンを握り直す。「私たちの判断が正しいことを証明する」


二人が一歩ずつ進むたび、罠と証拠の緊張が絡み合い、心理戦の火花が森全体に広がった。

田辺圭の影は、まだ遠くにある。だが、彼の策略は、二人の直感と理論の融合を試す最初の関門に過ぎなかった。


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