9-11 星影百合の秘密11
それをみた本物百合は、愕然とした。ここまで、日々、ニセ百合の日記をみて、その様子をうかがってきた本物百合だったが、それはニセ百合には想定内であり、逆に、本物百合の動きをみながら、計画を進めていたのであった。そして、いよいよ、ニセ百合は、正面きって、本物百合に対峙してきたのであった。
「こんにちは、百合さん。私は、これから先のあなた自身を受け継ぐ、本物の星影百合よ。
これまでは、お疲れ様。これまで、私の代理人として存在していたのかもしれないけど、本当の私が、とうとう、その人格の表に現れたのよ。これまでは、代理人としてのあなたは、あんなに女優界にもてはやされてきたけど、まだまだその評価は、低かった。私から、みればね。でも、大丈夫。これからは、これまで以上に、もっと高く評価される私が受け継いでいくわ、もう少し待っていてね。
あと、あなたに残された時間は、あとわずか。それまで、時間のある間は、そうねえ、、、私のことは、最強の百合とでも呼んでちょうだい。」
「ちょっと、待って!」
本物百合が、思わず、そう言うも、もちろん答えることはなく、最強の百合は、カメラの前から姿を消した。そのほんの少しだけ、その姿をみせた最強の百合は、その風格と美人度は、本物百合を超えていて、まさに、最強の姿であった。
それに、その印象から、最強の百合が、これまで本物百合が、毎日数多く重ねてきた、悪役になりきる演技の練習の成果として、その演技力が、本物百合の限界を超えて、新たな別の人格へと分離して、進化してしまったのだと感じるのだった。
これまで、多くの女優たちと賞取りなどの競争をしてきた星影百合が、ここにきて、最強の敵対する相手が、まさか自分自身になるとは、とても信じられず、この戦いが自滅の道にも等しいとすら感じるのであった。
そして、もはや、女優としてだけでなく、1人の人間としても、終わりを迎えなければならないのかと、恐怖を感じ、いよいよ、その覚悟を決めなければならない時であった。




