9-8 星影百合の秘密⑧
すると、人が映っていたのだが、それは、なんと百合自身であった。
そして、何か、日記のようなものを書いているのがみえる。その書いている時間が長いので、早送りしてみるが、2時間以上も書いていた。
そこで、映っている画像を見て、その書いている日記を部屋中探した。すると、別の部屋の引き出しで、その日記をみつけた。それは、以前、日記をつけようとして、途中でやめてしまった日記であり、その日記がとても気に入ったデザインで捨てられずにいて必ず使いたいと大切にとっておいていたものだった。そして、中に何が書いてあるか急いで見てみた。
すると、そには、以前、途中で日記をつけるのをやめたけれど、今日から、またつけていくことを決意した、という文章から、書き始めていた。
その中には、なんと、近いうちに女優を引退するというようなことが書いてあり、さらに、これからは、別のことを始めたいということが記してあった。しかし、何をするのかは、まだ書いていない。ここで、明らかになったことは、自分の中に、現在、もう1人の自分がいて、一度その自分と入れ替わって、その、もう1人の自分が目を覚ます、ということだった。
そして、それからというもの、夜、演じることを、もはややめたが、寝てしまうと、再び目を覚ました時には、1日後だったり、まれに2日後だったりすることが多くなってきた。もう1人の自分の出てくる時間が、明らかに長くなってきているのである。
その頃になると、とんでもないことになっていた。自分が目覚めた時、それまで1日眠っていたのではなく、そこで、もう1人の自分として目覚めて、仕事に行っていたのである。それがわかったのは、意識がなくなり1日がすぎて、目覚めると仕事にいって、そして、1日仕事に行かれなかったことを詫びようとしたが、監督から、こないと思ってたら、来られてよかったね、と言われたので、もう1人の自分が代わりに仕事に来ていたと知った。
つまり、それは、今の本当の自分と同じことを、もう1人の自分も同じように体験していたということなのであった。つまり、本当の自分と、もう1人の自分は、交互に目覚めて、1人の百合として生活をしていた。もちろん、もう1人の自分も、すべて百合について知っているので、何か対処しようとしても、不可能だと考えた。自分が考えることは、もう1人も知っているのだから。




