9-3 星影百合の秘密③
その後、お母さんとの生活も落ち着いてくると、ここからのお母さんの女優魂に火がついた。毎日、学校から帰ると、演技の勉強やらが、すごい勢いの毎日で、これまでも演技の勉強とか、お父さんに隠れて、教えてもらっていたけど、今の状態から比べると、ほとんどやってなかったに等しい。それに、とんでもなく、その覚えることとか、やることが多すぎて、小学生の私じゃなくても、相当に大変だと思った。たぶん、普通に女優さんをやってる人なんて、今の私から比べたら、毎日ドラマとか出ている以外は、遊んでいるようなものだろう。
それから、6年が過ぎて、やっと小学校を卒業して、いよいよ中学生だ。これから、制服も可愛いし、すごく楽しみ。と思っていたら、お母さんに呼ばれた。
「百合、これから、中学生ね。入学して、半年たって、学校に慣れたら、いよいよ芸能界に女優デビューするわよ。もちろん、私の娘だなんて、隠してよ。」
「ええ、学校は、そのあとどうなるの。」
「百合、あなた、知らなかったのかもしれないけど、あなたが入るクラスはね。芸能コースよ。週に3日だけ行けばいいの。まあ、行く日は、夜8時まで授業があるけどね。お母さんも、同じことをしてきたから、心配はいらないわよ。」
「ええ、それって、相当に大変なスケジュールじゃない。」
「大丈夫よ、お母さんも同じことをしてきたし、そうねえ、本当に大変なのは、半年くらいかしら。すぐに慣れるわ。」
この時の不安は、実際には、想像以上であった。
「そうそう、百合はね。中学生だから、子役として、一応デビューだけど、あなた、今そこらの子役とは、もはや比べものにならないくらいに女優になってるからね。とりあえず、デビューって言っても、まず映画のオーディション受けるわよ。」
その後、素人が応募できる、映画のオーディションを母は探してきた。
「あなたは、普通のアイドル以上に可愛くて綺麗だから、まず第一印象で、オッケーだと思う。あとは、この10年間演技とか色々とお母さんが教えてきたことが、ここでいよいよ発揮されるわ。今のあなたの演技力なら、他の応募者なんて、気にもならないわ。」




