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7-4 映画「運命の時間」④

 すると、2人は、球児から、再び薬を分けてもらうと、すぐに薬を飲む佳奈。すると、怖々とした表情のまま、そのすぐあとで、やはり薬を飲む明日香であった。


 目も眩む光から、母親の事故に遭遇した時の少し前に、自宅に着いた2人。姉妹は、両親が結婚したばかりの自宅の庭に姿を現したのであった。


すると、活気だった佳奈は言った。


「さあ、今、お母さんが出かけるわ。あとを追って、暴走車がぶつかるのを防ぐのよ。お姉さん、行きましょう!」


 すると、出かける母親の後を追う2人。大通りに出てきた母親の元に、暴走する一台の車を、目の前に確認した佳奈は、全力で、母親に飛びつき、そのまま2人は、道路脇に押し倒された。


 だが、母親の思いがけない避け方に、暴走車は、それを追い、道路脇の母親にまで突進してきた。猛スピードで、突っ込んでくる暴走車。だが、母親にぶつかる手前で、思わずハンドルをとられた暴走車は、電柱に激突してしまった。すると、母親は、無傷で助かるのであった。一方で、車は、大破してしまい、運転手は虫の息となっていた。


それをみて、佳奈が叫んだ。


「やったわ!お姉さん!お母さんは助かったのよ。それに、本当なら、お母さんをひき逃げした犯人は捕まらなかったけど、これで、今回は、犯人も捕まるしね。」


 しかし、車内をみた佳奈は、絶叫した!


「なんてこと!お姉さん!運転してたのは、お父さんだったわ!それに、もう助からない!」


 ここで、この信じられない展開のセリフを、麗子は、驚きと共に、その強烈な意外な事実を、観客に突きつけるように、爆発的な感情を落とし込んだ!


 これを、この撮影現場でみていたマネージャーの万根田まねだは、その麗子の素晴らしい演技に、少し心配の気持ちが晴れていった。


 だが、さらに、このあとのことだった。


 このあと、あらたな、衝撃的なセリフを入れ込んできた姉役のサリー。


それは、次のシーンが終わった、あとのことであった。


 なんと、運転していた重症の父親が、たった今、亡くなったのだ。すると、妹の佳奈が、すうっと消えてしまった。2人が生まれる前に亡くなったことで、タイムパラドックスが起こったのである。


このあと、サリーは、次のセリフに乗せて、


 今こそ、【奥義 感情烈火弾かんじょうれっかだん】を炸裂させたのだった!


「佳奈!まさか、消えてしまうなんて!うそでしょ!!」


 そのセリフのあと、その場面からいなくなる麗子は、その撮影現場の袖から、再びサリーの衝撃的な技を感じた。


 そこで発せられた、サリーの渾身のセリフは、同時に、そこに込められた感情が、すぐさま感情弾へと変換され、発射されたかと思うと、その現場の中央に炸裂した。かと思うと、次の瞬間には、無数の細かい感情弾となって、四方八方に広がって、その場にいる者たちめがけて、心に、次々と突き刺さっていき、その中で破裂し、そのシーンからのとんでもない衝撃を浴びるのであった。


 そこにいる全員は、すべて、その細かい感情弾に直撃されて、相当なショックを受けていた。そこにいる麗子もまた、その攻撃を直撃されていた。


 すごい!!!やられたわ!【感情烈火弾かんじょうれっかだん】!!この意外な展開のセリフに、この技を落とすなんて、考えたわね!これ以上、この技に相応しい場面はないわ!


 そして、マネージャーの万根田まねだも、せっかくの麗子の素晴らしい演技のあとに発動されたサリーの衝撃の感情に、言葉を失ってしまった。


 すると、つぎのセリフを発するサリーには、再び、そのチャンスが巡っていた。そのセリフは、


「ええ!なんということ!私は、消えてない!!ということは、私は、お父さんの娘ではなかったんだわ!」


 ここで、サリーは、さらに、【感情烈火弾かんじょうれっかだん】を続けて、炸裂させた。この技は、続けては使わないと言っていたサリー。なぜに、こんなに思いがけないことを!!


 だが、ここまで衝撃的なシーンでの、衝撃のセリフの連続は、実は、ここまで、同じような感情を落とし込むシーンは、滅多にないことであり、この映画に、続いて起こる驚愕な展開は、この技の究極のバージョンを繰り出せる最高のチャンスであった。


 ふふふ!つかんだわ!このチャンス!これは、ただの、【感情烈火弾かんじょうれっかだん】ではないのよ!さあ、覚悟して、その最大の衝撃を味わいなさい!!


そして、今、その【感情烈火弾かんじょうれっかだん】の3つのセリフを続けて、繰り出せる、その最上バージョンである、【3段烈火弾】を繰り出し、その3つ目までのセリフで技を炸裂させるのであった。


 その場には、最初の感情弾が炸裂して、その感情が現場いっぱいにあふれて、まだ荒れた状態の中、続いて、2発目の感情弾は、最初の感情弾と非常に似通っているため、最初の感情を2倍に押し上げた。そのショックも2倍となり、その場の空気は、もはや、ショックの感情が渦巻いていた。


それだというのに、そのすぐあとには、ここで、なんと、3つ目のセリフが発せられた!


「それじゃ、私の命は、いったい、どうなってるの!信じられない!」


 その最後の感情弾は、そこまでの感情を、なんと3倍にまで、押し上げ、もはや、皆、立っていられないほどのダメージを受けた。それは、そのシーンの見た目や、そのセリフからの3倍もの衝撃を味わっていて、サリーの、その大技の効果により、そのシーンの、意外性が増して、さらに、その迫力が何倍にもなってしまった。まさに、サリーの1人舞台と化していた。


 すると、そのシーンが終わった途端、監督から、思わず、「カーーット!!!」の掛け声がかかり、皆、心に受けた、あまりにも強烈な衝撃で、しばらく立つこともできない現場となっていた。


しばらくすると、やっと立ち上がった監督から、


「これほどまでに、感情の衝撃を受けたシーンは、今までかつて味わったことがない!もちろん、これは、もう一発オーケーだが、もしも撮り直しなんてことになっていたら、おそらく、2度とは無理だろう。久条さん、すばらしいよ、すばらしすぎる!!この映画で、まさか、こんなシーンが撮れるなんて、信じられないことだ!!!」 



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