7-2 映画「運命の時間」②
そこで、姉妹は、2人で、研野球児の下を訪れた。
あらためて、話しを聞くという明日香と佳奈に、球児は、薬について話しを始めた。
それは、一錠飲むと、1時間の間だけ、過去に戻ることができるという薬であり、自分で思い描いた、何年何月何日何時何分と、指定すれば、その時に戻り、その瞬間から、1時間の間だけ、そこにいることができる、というものであった。
球児の話しは、いつになく、真剣そのものであった。それに、なによりも、信憑性があったのは、それ以上の話しはせずに、自分と共に、薬を試してみないか、という申し出であった。
ここで、姉妹、サリーと麗子は、驚きとともに動揺し、複雑な思いを表現する演技。これが、また、2人とも、甲乙つけ難い、真剣さと驚きが入り混じる、素晴らしい演技であった。
そして、3人は、薬を口に入れて飲み干すと、「2,025年7月11日午後12時30分」と叫んだ。姉妹は、信じられない気持ちでありながら、真剣に叫んだ。
すると、3人は、目も眩むような光に包まれたかと思うと、そこは、球児の大学内の球児と、さっきいた研究室の風景が目の前に広がり、そこに、3人はいた。だが、そこは、さっきと同じ場所なので、何も変わらず、全く変化がないので、まだ信じられない2人。だが、球児の話しが本当ならば、ここは、指定した、さっきいた時から、10日前の「2,025年7月10日午後12時30分」であるはずだった。
校内のカレンダーや、時計などを確認する3人。すると、たしかに、ここは、10日前の大学内であった。すると、3人は、ハッと思いついたように、すでに、その10日後に売り切れてしまうゲーム機を探しに店に走り、店頭でそのゲーム機を発見したのだが、気がつくと、現金を持ってなかったので、たとえ、見つかったとしても、それを買うことはできないことに気がついたのだった。
仕方なく、ただ町中を探索していると、1時30分になると、あっという間に、再び目も眩む光に包まれ、一瞬で現在に戻ってくるのだった。すると、すぐに、近くにあるカレンダーと時計を確認する3人。
「どうだい。すごいだろう。こんなこと、現実じゃありえないことだ。これまでなら、絶対に不可能なことだけど、その戻る時間が、たった1時間というところが、成功に導けた大事なポイントだったんだ。これ以上、時間を伸ばすと、たぶん成功はしなかった。そして、遂にやり遂げた。僕の研究の成果なんだ。何かを持っていくとかは、基本的にできないけど、ポケットに入れるとか、身につける程度なら、たぶん大丈夫だよ。」
それを聞いて驚く2人だったが、妹の佳奈が、柄にもなく興奮しながら言った。
「そうしたら、球児さん、お願い。私たちに、その薬、少し分けてくれない。」
「かまわないさ。だけど、絶対に人には言わないで。それだけは、絶対に頼むよ。」
すると、姉の明日香は、驚いて、
「佳奈、いったいどうするの?その薬!」
すると、もはや、興奮から覚めやらない佳奈は、1つの可能性を提案するのだった。




