表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/51

5-15 映画「少女歌人の恋」15

 和歌は、ただの詩ではなく、「言霊ことだま」として、世界を揺るがす霊的な力を持つと信じられていた。その力を濫用せず、純粋に“言葉を救い、未来を繋ぐ者”に受け継がせるため、選ばれし者の出現を待っていた。


 我らは、和歌を未来永劫伝えていくための、それに相応しい人物を探しだすために、この書物をしたためて、亡くなった。それは、和歌が、将来的に、未来の世界に、この奇跡の言語を持って、新たな時代の流れを生み出してほしいという願いのものであり、それは、一般的な流れとは違って、秘密裡に行なわれて、やがて広まっていくだろう。


 そして、その流れを秘密の流れとして、「秘流」といい、和歌の理解力、詠み上げるための高度な知識と技術力を備えた者に、我々六歌仙の伝承者として、そのまま「秘流」という伝承者としての名を与えることとする。伝承者として認められた者は、我らの力により、さらに、未知の力を得ることができるだろう。


 しかしながら、この「六歌仙」とは、我々が没したのちに、付いた名であるが、その後の時代において、この名が、和歌や我々を広く知らしめるためのものであることを考慮し、そのまま、その呼び名を認め、使用するものとする、と締めくくってあった。


 そして、さらに、最後にある一文。それは、和歌が、一首、書かれていた。それは、


ことばもて なるながれを ものに うたみちびく 未来みらいのとばり」


この言葉の意味は、


 言葉をもって、隠された流れ(秘流)を受け継ぐ者として、歌こそが、未来という帳(とばり=幕)を導いてゆく。


 この歌を、ソフィアが自らの声で、詠み上げた瞬間――書に刻まれていた、伝承者とある、その下の空白の欄に、


  秘流 ソフィア オートマティック


と、赤い文字で浮かび上がり、書の題名も、ぱらりと一枚めくれるようにして変化する。その書は、まるで生きているかのように、ゆっくりと光を放ち、書き換わる。


秘流伝承ひりゅうでんしょうのしょノ書」から、「秘流伝承ひりゅうでんしょうのあかしノ証」へと変化した。


 ソフィア・オートマティックは、たった今、「六歌仙」の6人により認められた、和歌の歌人の伝承者「秘流」となったのである。


 すると、ソフィアは、同時に、脳裏に浮かび、「秘流」という伝承者としての名と、その名の力を授かったことを知った。



 だが、その後は、全く何の変化もなく、言語学者と女優の2本立てで、仕事をこなしていき、趣味レベルで、和歌の研究をする毎日を送っていた。


 しかし、ある日、言語学者の知り合いから、和歌の研究家たちが集まる会があるので、ソフィアにぜひきてほしいと、声をかけられた。


 それまで、ソフィアは、和歌について、他人と話しをしたり、和歌について関わることは、一度もなかったのだが、それは、自分1人で行なうことを常としていたからであった。


 だが、今回は、なぜか珍しく、人とも、和歌について、語り合いたいと思って、参加を決めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ