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5- 9 映画「少女歌人の恋」⑨

 そんな祖父による日本語教育をも受けてきたソフィアは、どうしても日本人の女優になることを望んでいたのである。


 そして、彼女は、言語学者として研究指導をしながら、女優としての演技の勉強をしながら、日本語の持つ魅力に、さらに惹かれつつ、独自の演技技術を編み出していたのである。彼女は、各国で言語学者として活躍するかたわら、年に一度程度ではあるが、日本で女優としても活躍し始めていた。


 実は、大門監督は、数年前に、一度だけ、彼女と会っていた。監督と彼女の共通の知り合いから、たまたま、来日していた彼女を紹介されていたのである。


「はじめまして、ソフィア・オートマティックと申します。」


という挨拶から、自己紹介を始めた少女は、実に、その透き通るような透明感を、その美しい見た目と、その印象を決して裏切ることのない、いや、それ以上の透明感のある、綺麗で素晴らしい発音で言葉が発せられるのを聞いて、監督は、とても感動した。まさに、女優になるために生まれてきたような少女であるという印象を持ち、いつか一緒に仕事をしたいと思っていた。


 そして、その後の彼女を、虜にしたのが、和歌であった。世界的にも、その発音や表現の美しさで、世界一の言語であると、彼女が認めていた日本語であるが、その中でも、その31という少ない文字数の中で、圧倒的な感情表現を実現する和歌に魅せられた。彼女曰く、日本語の中でも、和歌は、究極に美しい日本語であるという。

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