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5-7 映画「少女歌人の恋」⑦

 4人の審査員からの圧倒的な評価で合格したソフィア・オートマティックは、その後、様々、映画のストーリーの確認と、共演者や、監督や脚本家との打ち合わせが終わり、撮影現場に集まっていた。


 この作品は、登場する俳優たちも多くなく、そのストーリーも複雑ではなくて、どちらかと言うと、シンプルなラブストーリー。そのシンプルさが、さらに求められたことで、その時代背景として、その世界観として、情報量が少ない時代である時代劇が選ばれた。この時代のシンプルさが、少女歌人、小野 おのゆうの存在をより、際立たせて、さらに後押しするためであった。


 そして、いよいよ、クランクインの日がやってきた。だが、大門監督が、現場で初めてみた、その役を演じる彼女の姿に、始まりから驚異を感じることになる。



 今から、7年前、ある小学生モデルが女優デビューすることになった。その美少女、名前を、ソフィア・オートマティックといい、フランス人の父親と、日本人の母親との間に生まれたハーフであり、フランス生まれの日本育ちである。


 もともと女優志望であったが、その美貌とスタイルの良さから、小学生でモデルとしてスカウトされ、とりあえず、モデルを経て女優デビューをした方がいいと、プロダクションから勧められて、今回やっと12才で、女優デビューとなったのであった。彼女は、ハーフではあるのだが、日本育ちなので、普通に日本語を話すし、彼女の父親の父である、祖父は、ヴェイル・オートマティックといい、フランスの大学で、日本語研究の教授をしている。もちろん日本語は、ネイティブに話すことができるし、日本語研究に生涯をかけているという日本びいきであった。


 そして、その著書である、「ヴェイルの書ー表現力を学ぶなら、日本語を学びなさいー」は、世界中で翻訳されている有名な著書であり、ソフィアも愛読書としていて、いつでも持ち歩いている。


 その昔、その祖父は、自分の長男である、ピエール・オートマティックが、日本人女性と結婚すると言い出した時には、よくやった、と、これまでの生涯で1番の親孝行だと、大喜びであった。


 すると、祖父は、息子が結婚して、生まれてきた孫娘をみると、すぐに日本に引っ越して、生涯日本で暮らし、その孫娘ソフィアを完璧な日本人に育ててほしいと、息子に告げた。すると、父親と同じ思いで、日本に移り住みたいと思っていたピエールは、すぐに、引越しを決めた。もともと日本びいきであったピエールを父親に持つソフィアは、その祖父の多大なる影響があって、ソフィアの日本語は、流行り言葉や、スラングなどのない綺麗な日本語を話す。彼女は、その祖父の影響もあって、幼い頃から世界中の言語を学んだ末、弱冠16才で言語学者となった。


 そのことから、祖父のヴェイル・オートマティックによると、ソフィアは、近年にはいない綺麗な日本語を話すことから、彼女のことを、身内でありながら、それに敬意を表し、彼女は、まさに、【純日本語人じゅんにほんごじん】であると称した。つまり、実に純粋で美麗な日本語を話す人、という意味で、あえて、ユーモアを交えて、こんな表現をしたのであった。

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