5-1 映画「少女歌人の恋」①
後日、TV局にきていた麗子に、誰かが声をかけてきた。
「進藤さん!」
思わず振り向くと、そこには、本松監督が立っていた。
「あら、監督。久しぶりですね。」
「受賞式以来だね。進藤さんは、これから、時間ある?もし大丈夫だったら、そこでコーヒーでもどう?」
「少しだけなら、大丈夫ですよ。」
カフェに着いて、扉を開けると、なんだかすごいおしゃれなお店。私は、いつも友達とは、ファミレスしか行かないからなあ。
「なかなか、いいお店だね。僕は普段、カフェとか行かないからなあ。進藤さんみたいな若い人とだから入れるけどね。」
「本当。若い人ばかりですね。でも、私もあまり行かないですよ。」
すると、2人ともコーヒーを注文した。
すると、監督から、急に、
「実は、君に話したいことが、あってね。今度、あの大門監督が、新作を作るんだけど、主演女優のためのオーディションがあるんだよ。なんでも、時代劇らしい。」
「ええ、あの大門美代子監督ですか、久しぶりですね。だけど、時代劇ですか。私、殺陣とかやったことないですから、大変そう。」
「いやいや、違うんだ。時代劇といっても、ラブストーリーらしいよ、純愛の。時代劇でラブストーリーって、珍しいよね。君も、オーディション受けてみたら、どうかな。」
「それなら、受けてみたいです。だって、あの有名な大門監督ですもの、ちょっと楽しみかも。」
サプライズプロダクションに戻った麗子は、社長から、いきなり、
「おかえり、麗子。あなた、オーディション受けてみない?」
「それ、ひょっとして、大門監督の新作ですか。」
「あら、情報早いわね。」
「実は、さっき、本松監督から聞いたばかりなんです。」
「じゃあ、話しが早いわ。時代劇だけど、ラブストーリー。大門監督の映画、主演やったら、女優としての格は上がるわよ。それで、主演女優賞でも獲れば、さらに最高よ。もう、そこからは、大女優の道、まっしぐらよ。早速、手続きするけど、いいわよね。」




