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3-10 奇才塾、その驚くべき指導10

「それでは、皆、これから、1年かけて、【真意法秘密演技】を完全に体得するのよ。わかったわね。」


「はいっ!」  


 これまでも、とても困難な練習が続いていたのだが、この日から始まった、この秘技の習得には、これまで以上に困難を極めた。


 しかしながら、この講義が始まってから、1週間がたち、麗子だけは、これまでとは何か違いを感じていた。それは、講義の習得を深く理解、体感するために、この講義の始まりに、3分間の精神集中を行なうのだが、これが、とても不思議な体験と感じていたのである。


 それは、精神集中を行ない、気持ちを落ち着けながら、講義内容を、ただの理解から、心への吸収をするための準備といい、心をぐっとつかまれて引き込まれるような感覚を覚える。引っ張られるような感覚なので、ちょっとだけ違和感を感じると、なんとなく、抵抗感があり、ほんの少しだけ嫌悪感を感じてしまう。だが、引っ張られてから、抵抗せずにそのままに身を任せると、すうーっと引き込まれてからは、何か、えもしれない心地良さを味わう。だが、これが、ちょっと、麻薬的な感覚を、麗子は覚えていた。


 これを、麗子は、どうしても、完全に身を任せることに違和感が拭えずにいた。だが、なぜ、麗子だけが、気がついていたのであろうか。


 それは、以前に、星影百合ほしかげゆりが、【真意法秘密演技】を編み出した中で、進藤麗子が、初主演した映画の際に、ちょっと気になっていることがあった。共演者たちを半分映画の世界に自分と共に引き込んで、半分、その役柄を実際の世界との境界線をほぼなくしたことで、その役柄を演技ではなく、自然に行動しているかのように思わせて、その演技力を高めたことがあった。


 しかし、そのやり方が、偶然にも、「主導同列」によく似ていたので、星影百合は、進藤麗子がとっさに行なった、その点に注目していたのであった。そのことが、進藤麗子をここに招き入れる1番の決め手になっていたのである。


 だが、そのことで、今回、麗子にあることを知られてしまうことになってしまったのであった。


 そして、今回の【真意法秘密演技】の講義が、1ヶ月をかけて、すべてが終わった。どのような秘技があり、どのような効果があるのか、そのやり方などを、ここまで、すべて講義を終了した。


 これからは、さらに、困難を極める、実践授業に入る。


 ところが、ここにきて、麗子は、主技の本当の目的や、ここまでの1ヶ月間のことについて、ようやく理解してきた。


 これまでの講義の最初に行なっている3分間の精神集中は、実は、これは、【闇演技やみえんぎ】の中にある、講義の中でも示されていた、【秘技 思想転送】に違いないと、麗子は見破ったのであった。


 つまり、今後、この5人の天才少女たちが、天才女優となった暁には、映画界演劇界を自分たちが乗っ取ってしまうほどの野心を抱いていたことを【闇演技やみえんぎ】の内容から、あらためて知ったのであった。しかし、講義の直前に行なう精神集中だと偽って始めていた、【秘技 思想転送】によって、主技は、自分の悪意を正当なものであると理解させる思想を吹き込んでいたのである。


 だが、麗子は、結局、見よう見まねで行なった【秘技 同調連鎖】により、養成所を脱走していたが、秘技を、完全とは言えないとはいえ、身につけた麗子には、すでに、かけられた秘技を見破る力があることを、主技は脱走するまで見落としていた。


 そして、1ヶ月の講義の直前に毎回行なっていた、【秘技 思想転送】により、残りの4人には、主技の思想が完全に刷り込まれていたことが、麗子が、養成所を脱出した理由だったのである。

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