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3-2 奇才塾、その驚くべき指導②

【奇才塾 その講義と演技修練法】


第1章 喜怒哀楽無限表現

第1項 単語感情表現


1 うれしい

喜怒哀楽には、それぞれ、基本的な感情表現として、「うれしい」「怒っている」「かなしい」「たのしい」などという感情があり、その中のまず「うれしい」を取り上げて、表現することにする。


 全員で塾生は、5人。そのうちの、まず1人が残り4人に対して、その言葉に、うれしいという気持ちを込めて

「うれしい」と声をだして伝える。そして、相手の4人は、その言葉そのものではなくて、自分のその心にうれしい気持ちが本当に伝わった手ごたえがあったかどうか、感じとってみる。


 そして、相手の心にうれしい気持ちが感じられてきたなら、まず1人合格。この合格というのは、「うれしい」を発した塾生が合格と、感じた塾生が受け手としても合格したことになる。それが何人いるのか、あるいは、ゼロなのか。一度目、1人以上でもゼロでも良い。


 そして、次の塾生が、同様にして、一回目を行なって、そのまま、5人終わったら、また、最初の塾生が2回目を行なって、それを5順繰り返して、一応、結果発表とする。


 これは、言葉に、うれしい気持ちを乗せて伝えていると思われるが、実はそうではなく、自分の心の波動や、自分の中で作り上げた感情を相手の心に伝えているのであって、実際のところ、「うれしい」という言葉そのものは、ここでは、あまり効果を発していない。この場合の「うれしい」という言葉は、相手のためというよりも、自分がうれしいを伝えられるきっかけとしての役割をしていて、この言葉があれば、うれしい気持ちが伝わると信じて発しているだけである。


 そして、これは、普通には、言葉と表情と態度で、その役を自分が相手や回りに伝えるのだが、奇才塾での、第1項 単語感情表現は、それとは大きな違いがある。普通の演技は、言葉や表情や態度という具体的なものが、主となって、その役となって相手に伝えるのだが、第1項 単語感情表現は、それとは、全く逆で、伝える感情の波動が主となり、それをできるきっかけのための道具として、言葉を発している。


 この手順で、全員が4人に対して合格することを目指して進めていく。しかし、これは、並大抵のことではない。1週間か、あるいは、1ヶ月かかるか。


すると、ここで、主技から、

「ここで、一つ、とても大切なことを話しておきます。


 それは、例えば、このシーンで、主人公が悲しみのセリフを言って、泣くとします。すると、多くの俳優は、悲しみのあまりに役に入り込んで、本当に涙を流してしまうことがあります。それをすばらしい演技だと、観客は感動したり、俳優たちも絶賛したりしますね。


 だけど、あえて、私から言っておきますが、あれは、演技ではないのです。ただ、その役に没入して、その役に落ちてしまっただけですから、一生懸命に練習を重ねて頑張れば、珍しいことではないし、涙は、その役に落ちてしまっているだけで、実は、本当に泣いてはいけないんです。


 かといって、涙するシーンは、本当に涙を出さなければいけない。悲しみを演じている自分とは別に、演技で涙を流す。泣こうと努力して、涙を流す自分がなければいけないですね。役になりきるというのは、あくまでも役に堕ちたらいけないです。


 演技とは、本当のニセモノでなければならない。たとえば、驚くシーンなどは、本当の驚きであってはいけない。演技とは、作り上げるもの。 驚く演技を、作り上げなければいけないのです。


 今、行なっている、単語感情表現の「うれしい」ですが、うれしい自分そのものになるのが、感情表現として、1番わかりやすいですが、うれしい自分そのものになるのは、いけません。そのものになるのは、ただ、その気持ちを作り出すよりも簡単ですが、それは違う。


 撮影現場で、悲しみに浸って、涙を流すシーンで、本気になって泣いてしまうなんて、決して、してはいけないことです。それに、あと、すぐに楽しくて仕方ないシーンがあったら、すぐに切り替えができますか。 絶対に、次のシーンに影響をしますよ。


 それに、たとえ、それができたとしても演技が上手いわけではないのです。それは、演技ではないのです。だから、この単語感情表現は、あくまでも、自分の表側に、うれしい気持ちを作り出して下さいね。これが演じるということなのですから。」


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