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2-6 謎の美少女 麗華⑥

 そして、撮影が続いていくが、その場にいる人たちは、1人残らず、麗子の演技に圧倒され、感動して、涙する生徒たちもいた。


 だが、それが、麗子ではなく、あの少女の演技だと知るのは、マネージャーの万根田まねだだけであった。しかし、万根田まねだには、様々な思いが湧き上がり、もう、どうしたらいいかわからない。


 それにしても、あの少女、ここまですごいとは思わなかったわ。これで、麗子が、明日現場に戻ったら、この演技との差がつきすぎてしまう。いったい、どうしたらいいの。


 それにしても、こんな短時間で、この作品の中に溶け込んで、他の出演者たちを圧倒して、その役をやり遂げているわ。あの本物の麗子ですら、その辺の女優レベルに思えてしまう!この少女は、いったい!


 その後は、麗子の独壇場とばかり。あやめと、すずめの演技も、普通を超えたレベルであるのだが、その演技力がそこまで感じられないのは、あの少女のせいである。ただの錯覚であった。


 しかし、現場では、また別のところで、影響が現れてきた。


 それは、あやめと、すずめの態度であった。


 午後の撮影に入って、麗子に数々の秘技を発動したが、全く無意味だと、秘技を中止した頃からというもの、そこからは、2人の作品に対する取り組み方や、その態度が、徐々に変わってきたのである。他の出演者や、監督を始め、スタッフたちと、その対応の仕方や態度、作品に対する意識も、非常に真摯に向き合ってきている。そして、さらには、高飛車だった態度まで、変化してきた。


 さっきまでの、独りよがりの悪かったイメージが変わりながら、演技を続けている。


 その点も、監督には驚きであった。少女の驚異的な演技力と、急に2人が真剣に作品と取り組み始めたせいで、いつもよりも、撮影はスムーズに進み、その日の予定の1.5倍のペースでシーンの撮影が進み、主だったシーンは、ほとんど撮り終えることができた。


 実は、その少女は、2人にショックを与えるため、自分が、予定よりも麗子の演技力を超えて撮影を続けてしまった。そこで、この映画の麗子の大半のシーンを片付けてしまおうとして、ピッチをあげ、あとに残る麗子の出演シーンは、細かい箇所だけであった。


 そして、その撮影も勢いに乗って、とうとう、その夜は、次の日へとまたいでしまい、午前2時に、その日、予定の倍以上の量の撮影が、終了した。

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