2-4 謎の美少女 麗華④
マネージャーが戻ってくると、これからのことを伝え、監督に伝えに行き、麗子は、ホテルに送られていった。
そして、午後の撮影は、再開された。
元気そうに戻ってきた麗子は、
「皆さん、すみません。ご迷惑をおかけしました。もう大丈夫です。遅れた分は、午後、頑張って取り返しますので、宜しくお願いいたします。」
すると、監督から、
「進藤さん、大丈夫かい。心配したよ。君らしくないな。珍しいね。」
そして、他のスタッフや共演者の生徒たちも、
「進藤さん、大丈夫?」
「麗子、無理しないでね。」
「進藤さん、よかったわ。」
ただ、元気そうに戻ってきた麗子をみた緑川あやめと吹雪すずめは、驚きをかくせない。あやめは、
「うそでしょ!麗子、戻ってきたわ!あれだけのダメージを与えたのに、少なくとも、今日1日は、撮影どころじゃなかったはずよ。」
撮影は再開し、麗子の代わりになった少女は、まるで麗子本人のように、撮影をこなしていく。
その元気にいつも通りの演技ぶりの様子を見て、監督は、やっと安心した。しかし、あやめとすずめは、驚きであった。
あやめは、すずめに耳打ちすると、
「いいこと、すずめ、次のシーンで、麗子に、また【奥義 演技衰退】を仕掛けるわよ。ちょうど、麗子が、教室で席が2人の間じゃない。さっきも、この体勢から仕掛けて倒せたのだから、今回のシーンは、それより麗子の台詞が長いから、前回よりも何倍もダメージがあるはずよ。これが、あと1回できれば、彩と同じで、数日中には引退までいけるわよ。いいわね。」
再び、監督から、声がかかり、
「じゃあ、次のシーン行こうか。」
撮影が始まり、麗子がちょうど2人に挟まれる立ち位置になった。そこでは、麗子が、1人で、長セリフのシーンだった。
チャンスよ、すずめ!いくわよ!
すずめに目配せをするあやめ。
そして、2人は、同時に、【奥義 演技衰退】を発動始めた。2人は、前回以上に、この時とばかりに、変調波動を発動している。左右の2人から発動している変調波動は、先程の比ではなかった。
しかし、一向に、麗子の様子は変わらない。麗子は、堂々と、セリフを続けている。ここは、麗子の生徒役は、他の生徒全員を説得する大きな見せ場だった。その現場の角から見ているマネージャーも、ドキドキしながら、撮影の経過を見ていた。
だが、何事もなく、そのシーンの撮影は、終わり。その後も、何ら変わりなく、撮影は進んでいく。
その撮影中に、2人は、再び【奥義 演技衰退】をしかけたが、一向に効果がないどころか、それが跳ね返されるほどのエネルギーを感じ、焦った2人は、その後も、できる限りの【闇演技】の別の秘技を、いくつも繰り出していた。




