表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【旧稿】台所シリーズ ― 水と記憶と祈り ―  作者: 朧月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/116

ただいま編 第19話(間奏エピソード)皇帝じぇせふゅぬ と何でも薔薇子

台所シリーズ 第1部 「台所でせかいをかえる」ただいま編

第19話(間奏エピソード)皇帝じぇせふゅぬ と何でも薔薇子


架空の人物 何でも薔薇子は、伸子と響香によって、恵庭のお庭の素敵なカフェ ステンドグラス(※1) で その生きざまを深堀された。



何でもばら子のにくむべき相手は、

こがねむし、ちゅうれんじばち、ばらぞうむし。


こがねむしの幼虫は、土中の根を食べて、株全体を弱らせる。


原因がわからぬ様子の怪しいバラの鉢を見たら、この幼虫がいることが多い。


心配な薔薇の鉢をひっくり返しては──


「やっぱり、こがねむしの幼虫が2匹もいたわ。」


と、ため息の間もなく、根源のこがねむしを抹消。

「もうダイジョブよ、きっと。」といって、

そのバラを新しい土にうえもどし、大事に養生コーナーにつれていき、活力剤を水でうすめて、それをかけてあげる。

「これなら、肥料とちがって、負担がすくないはず。」

そして、場合によっては、適用の粒状の殺虫剤をまく。


薔薇の回復と害虫たちの撲滅は、何でも薔薇子の栄冠のあかし。




そして──何でも薔薇子がこの地球上で最も憎むべき相手。


それは、ゴマダラカミキリ。




成虫は葉や樹皮をかじる程度だが、本当に恐ろしいのは、幼虫。


幹や枝の中に潜り込み、内部を食い荒らすので、気づいた時には枝がスカスカに…。


株元に木くずのような糞が落ちていたら要注意。


何でもばら子は全バラのパトロールを欠かさない。


もし、ゴマダラカミキリを見つけたなら──ギロチン刑。それが彼女のおきて。




そう、本気で。この憎むべき相手達、


ごがねむし、ちゅうれんじばち、ばらぞうむし、かみきり──


その地域一帯の撲滅を目指しているのだ。


薔薇子=バラの母であり、園芸医であり、バラの庭の法廷人。


そんな何でも薔薇子の惑星に入った者たちの、


エンゲル係数(※2)ならぬ“園芸係数”は、けっこう高い。




そして、同じく国家予算レベルで“園芸係数”を引き上げた、もうひとりの人物──


皇帝じぇせふゅぬ。


彼女は宮廷画家ルドゥーテとともに、名高い『バラ図譜』を編み、


戦火の下にあっても、イギリスの植物園からバラを取り寄せるルートを築いた。


バラのために国境を越えた、まさに先駆者。


そして彼女が築いたものは、いまもフランスの文化遺産として受け継がれている。


そんな皇帝じぇせふゅぬの姿をみた〇メゾン宮殿。──


あの日誓った、何でも薔薇子の情熱もまた、


ただの園芸家の域をはるかに越えた、文化遺産として語り継がれるべき情熱だった。




19世紀、皇帝じぇせふゅぬが、ナポレオンとともに造った


バラとともに息づいたその宮殿に、


何でもばら子が足を運んだのは──


まだ結婚してまもない、20世紀終盤のことだったという。




皇帝じぇせふゅぬが情熱を注ぎ、


文化と美の調和を育てた〇メゾン宮殿は、


いまや世界中の誰もが知る、バラの聖地。マルメゾン宮殿。




そして今もなお──


地球上のいたるところで、静かに、やさしく、


世界の“愛”の輪(〇)を育み、ふくらませている。





資料メモ

※1「スウイートグラス」北海道恵庭市 2023年10月31日 閉店


※2年「エンゲル係数」19世紀のドイツ統計学者エルンスト・エンゲルによって、提唱 支出のうち、食費が占める割合


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ