17話 〈マンション探索〉
「管理人さーん。おーい」
二人は管理人が在中しているはずの部屋をノックした。しかし返事は無い。爆睡しているのか?
「お出かけ中かな」
「えー?こんな時間に?」
「ま、まあ。買い出しとか?」
時間は真夜中の2時。こんな時間に外出する人は少ないだろう。
「まあいいや。さ、ユルカちゃん。探索するぞ」
「ホントにするんですか?」
「そりゃあもう!」
自信満々の輝かしい瞳を前に否定できず、逸らすしかできない。こうなると猪突猛進なのだから。
彼女はそういう人なのだ。
「まずはエレベーターから見るぜい〜〜」
「えっ、怖いですよっ」
いきなりクライマックスな展開に背筋が凍る。いわく付きのエレベーターを隅々まで調べるなんて、大金をつまれてもやりたくない。
「消去法でやってくの。エレベーターは一番怪しいからね!」
藍田さんは臆せず禍々しい空気を放つ箱に向かっていく。エレベーターの点検はユルカが見た限りされていない。掃除も。
かなり埃まみれなのではないか…。
ボタンを押すと、待機していた薄暗いエレベーターのドアが開いた。中は古めかしい絨毯の床と金属質な壁だけ。
「鏡は目視チェックしたところ、なし。ん?」
角に不自然な修繕の跡があった。「や、やめませんか…」
「よいしょ」
絨毯をめくると、盛り塩があった。(う、うお、ぎゃあああ〜〜~)
「へー、盛り塩とお札なんてお供えしてるのね。管理人さんも策は打ってある、と!」
「盛り塩とかこ、怖すぎ…」
「まーまー、よくあるから怯えなくていいよ。ほら、盛り塩はお店の入り口にもあるしさ」
逃げようとするユルカを、彼女は宥める。
「そうなんですか?じゃあ、おかしな事じゃないんですね」
「そうそう。細工した後もなし。案外普通のエレベーターなんだあ」
ふぅーん、とつまらなそうな様子にヒヤヒヤする。この人なら7階まで行こう、などと提案しそうだ。
「ま、まずは2階から見てみません?2階から」
「そうだね。ローラー作戦」
「ローラー作戦?は、はあ」
7階直行は間逃れたものの、2階も中々に怪奇現象がある階である。子供の泣き声がするだの。
(お化けに出くわしても逃げれば大丈夫だよね)
階段を登っていると、どこからかすすり泣く声がした。
「ぎぃっ?!」
住民からたまに報告がくる、例の子供の怪奇現象である。
「む。これは霊感センサーが反応してますよ〜」
「えっ?藍田さん、霊感あるんですか?」
藍田さんはノンノン、と否定した。
「ユルカちゃんの。私は分かるんだ。ユルカちゃんには霊感がある」
「え、ええっ…?」
久しぶりになりました。




