96.倫理を破るようです
「さーて、すこーし真面目な話をしてもいいかな?」
この人いつも真面目なんだか不真面目なんだか区別つかないんだよね。
こうやって言ってくれると正直助かる。
「今回の犯人はゲントでしょ。そうすると色々と問題があるんだよね、わかる?」
なんかわかる気がする。父親は第二世界の長官で界長のリン、三途川駅駅長のエマ
そして何より、界王第三皇女のフィオナさんに影響が出る。
「そうなんだーよね。第二世界にも、異界世界にも影響が出ちゃうよね。
まいったまいった・・・・。」
あっ、界王様心の中読めちゃうんだ。
「善君さー、君ならこういう時、どう決着をつけるかな?
助けると思ってなんかアドバイスちょうだい!」
なんだろ、やっぱり真面目なんだか不真面目なんだかわかんないや。
整理してみよう。
ゲントさんが犯人とわかると、第二世界では長官、リン、エマは間違いなく失墜
するな。そして、フィオナさんのことを考えると界王様にも影響が及んでしまう。
そうだ気になったあのことを聞いてみよう。
「界王様、ゲントさんって第二親等なのになんでシャドウクリスタルを持って
なかったんです?」
「そっか、善君知らないもんなー。ゲントって長官とフィオナの実子じゃないん
だよね。前界王の実子なんだよね。親を亡くして可哀そうと思ったフィオナが
家族に迎え入れたんだよ。泣ける話だよねー。」
いい話なのに、いい話なのに、なぜか胡散臭く聞こえてしまう。
にしても、前界王の子供だとは。うーん、話が大きすぎる。
「テッテレー。思考停止のスキルが上がりました。」
なんか久しぶりに聞いたな。この効果音。もちろんコピから音が出てる。
いや、待てよ。停止しちゃえばいいんだよ家族関係を。
「界王様、時間操作系のスキル使えますか?」
「いやだな善君。こう見えてもバリバリのチャキチャキの界王なんだよ。
使えないスキルなんてなーい。
時間操作してゲントがフィオナの子供になる前に戻せば良いと考えたんだね。
うーん、良い線いってると思うけど、フィオナの子供になってから時間が経ちすぎ
ちゃってるね。そうすると色々と矛盾が起こりやすくなっちゃうんだよね。
だから、有りよりの無しかな。」
そうだよな、時間が経っていればそれだけ色々な事柄に関係している筈だし、
全ての事柄も矛盾しないように時間を戻すなんて砂漠から米粒一つ見つけるような
もんだな。
「よし、ゲント事故。終了。」
あんたが終了だよ!




