73.酒が広まるようです
確か料理を広めようと奮戦してたはずだよな・・・。
どうしてこうなった。
あの生中継を見た住民たちが、こぞって駅に集まりだした。
あの後酔っ払いとなったメロリエッタに変わり、フィオナさんが住民たちに
宣言した。
「あんた達、酒って飲み物はこんな風に人をダメにすることもあるけど、
適量なら気分を高揚させてくれる、ありがたい飲み物なんだよ。
その辺勘違いしないどくれ!」
完璧に酒場の女将さんに見えてきた。
このことでテレビを見ていた住民達に酒というものが認識された。
各駅には閻魔庁から派遣された職員が配置された。
住民たちが駅に集まった理由はただ一つ、あの列車に乗れば酒というものが
飲める。
住民たちは単調な毎日を過ごしていたので、うんざりしていた。
そこにきての、料理だった・・・はず・・・が・・・酒?
「メロリエッタさんが飲んでたやつ飲みたいので列車に乗らせてくれ。」
住民たちはそれぞれ口々に、”酒が飲みたい“ と駅にいる職員に伝えた。
困り果てた職員たちから、エマや長官達にどう対応すべきか問い合わせが相次ぎ、
その話はすぐにオイラに来た。
3000系を増備したとしても、アテンダントをどうするかとか準備に時間がかかる。
「お困りの様だね善君。アタイに任しときな。」
フィオナさんは、片目でウィンクしながらそう言って、次の瞬間には姿を消した。
三途川駅を除く天翔本線98駅全ての駅に酒樽とグラスが多数配布され、
住民たちの試飲会が始まっていた。
「今日はアタイからの奢りだよ。一人2杯までだからね。」
なんか各駅でフィオナさんが仕切っているらしい。分身してるのか?
「酒にあうつまみも準備したからね。一緒にやっとくれ。」
駅が居酒屋状態。
ちなみにつまみは、から揚げ、焼き鳥、餃子、たこ焼き、ブルスケッタ、もつ煮。
「酒と合うだろ。どうだいアンタら、作ってみる気はないか?」
フィオナさんが料理を広めようとしてくれてる。
たまたま、若草町で居合わせたテレビクルーがこのやり取りを中継していた。
「ねぇ、善行。アタシら親子の決着はどうなったの?」
あったね、そんなの。すっかり忘れてた・・・。




