5.スキルが発動するようです
「私いらない子なんだ・・・・」
いい年した閻魔様がすねた。
「子供かっ」
そうか、エマのスキルでもあるから、その影響を受けたんだ。
そのスキルはいらない。もっと使えるスキルが欲しいんだよオイラは。
「コピ。もう鉄道ネタで脅さないから、ちゃんとスキルについて教えて・・・下さい」
鉄ヲタが鉄道ネタで脅すって・・・。
「絶対だかんね」
「じゃあ、私のおでこに善行のおでこをくっつけて」
「△□✖〰◑♪◈♨*☆◇」
コピが呪文を唱えると、善行の頭の中に白い映像空間が広がった。
しばらくするとコピが空間に現れて、
♪スキルを使うときは正しく安全に使いましょう
♪スキルを使うとスキルが成長します
♪スキルは他人に教えないようにしましょう
♪スキル安全協会でした~
ってCMじゃねーか。
「じゃなくって、もっとスキルについてあるでしょ、説明しとかないといけないのが」
ようやく、コピからスキルについて聞き出すことができた。
コピの持っているスキルは、言ってみれば生産・製造系のスキルらしい。
念じたものを具現化することができる。
パソコンでこういう操作をしたら現実もこうなる みたいなこともできる。
すごい万能なスキルだ。こういうのを待ってたんだよ。
まずは慣らし運転と行きますか。運転・・・そうだ・・・。
三途川駅に117系を配置。運転操作はオイラの思念に直結で。
駅の方を見ると、クリーム色にブラウンの帯が入った117系がホームに横付けされていた。
三途川駅は門司港駅の様に頭端式ホームになっていて6番線までホームがある。
117系は6番線ホームにあった。
6番線ホームには117系を見てニヤけた顔しているオイラ&ドン引き顔のエマ、コピがいる。
“ドア開” を念じ車内に乗り込むと、転換クロスシートがお出迎えしてくれた。
鉄ヲタとしては、やっぱり運転だよね。当然運転席向かうよね。
思念で動かせるようにしたけど、やっぱり形は大事。
今一度念じて、ブレーキレバーとマスコンハンドルを操作できるようにした。
エマ、コピはさらにドン引きが強まった。
そんなニヤけてるかな。そりゃそうだよね。夢だもん。運転するの。
“ドア閉” を念じ、戸閉ランプ点灯を確認して、ブレーキを解除し、マスコンをゆっくり回していく。
車両の下からものすごい音が鳴ってる。車輪が盛大に空転している音がしている。
「善君。この路線の運転免許持ってるの?ないと出発できないよ。」
「そういこと 早く言ってよ~」