54.新婚旅行に行くようです その2
コピが車内に戻ったので本気出して走り出した。
ジェットエンジンが飛行機の離陸の際のMAXパワーに到達したとき
と同じ爆音がしている。
やがて爆音が消え、いかにも日本的な線路の上を走り始めた。
時空の壁を超えた段階で、推進力はE001形にバトンタッチしている。
と言っても、4次元世界を進んでいるので、他の人からは見えないし、
走行音も聞こえないが、乗ってるこっちがあの爆音には参ってしまう。
日本海側と雪景色の中を進んでいく。
「昼間なのにこんなにきれいな景色が有るなんて。」
そりゃそうだわな。ずっと昼間の第二世界ではいつも同じ景色なんだから。
「そうそう、この車両は一部オリジナルと違って、お風呂を大きくしてるの。
何かの資料で読んだんだけど雪見風呂ってあるんでしょ。
せっかくだからみんなで温泉入りながら雪景色見たいな。」
うん、この流れだと色々と問題が有りそうだから、条件を付けよう。
「全員水着着用で!」
じゃないと、子孫繁栄がとかなって面倒くさい。
いや、新婚旅行なんだから有りだけど、オイラにも覚悟を決める時間が欲しい。
7号車はスイートが2部屋だったはずだが一部屋になっていて、7,8人が入れる
風呂が設置されていた。
風呂上がりに休憩できるように畳敷きの場所も確保されていた。
やっぱ風呂に入りながら雪景色見るのは最高だな。
しかも列車の中の風呂なんて贅沢!これが温泉だったら言うこと無しだけど。
「そう言えば旦那様、こっちの世界に居る時は会社員なんだよね。
今日って会社は大丈夫なの?」
現在の時間は12月10日(火)10:50分。
手帳には中期経営計画の打ち合わせが11:00と書き込まれていた・・・・。
やってもーた。今からずる休みってのもなぁ。
4次元の世界を進んでいるといえども、今はオイラの世界に居て、この世界の時間
に支配されている。
つまり、この世界にいるオイラは本来仕事をしている時間。
いや、まてよ、時間削減を使えば、12月10日の出社時間まで遡れる。
よし決めーた。今は新婚旅行を楽しんじゃお。
まずは、秋田でなまはげ、ままかり、ばばへらだ。そして、温泉とスキー!!
その頃会社では
「おい善行、この資料だけどPPT直しておいてくれ。言葉じゃなくて、
わかりやすく絵にして欲しいんだよな。」
「わかりました課長。1時間で仕上げて見せます。」
というやり取りが行われていた。
二人の善行が同時刻に存在していた・・・・。




