515.消滅を回避するために選択を迫られるようです
-異界管理局 駅及び列車整備部-
「綾香、オマエは俺と一緒に別のところに急行だ!」
「局長と?どこに行くんです、こんな大事な時に。私そんな安くないですよ。」
「綾香、オマエはホント、ブレないよな。今はそんなオマエが羨ましく思う。
俺らは、別行動になる。詳しくは列車に乗ってからだな。
そうそう、車両は403形で研究設備搭載で頼むぞ。」
そして、1時間後、局長と綾香は管理局を403形で後にした。
-生と死の境界を越えた領域-
久々に立ち直れないぐらいのショックを受けた。
前にこのようなショックを受けたのは、告ろうとしたら、既に子持ちの人妻だ
と判明した時ぐらいだ。
あの時はショックで2日間ほど学校を休んだっけ・・・。
でも、今の状況は、どう考えたって最悪だ。
何しろ、オイラが消滅する可能性が出てきたってことだ。
エマたちと出会わなければ、オイラは第1世界で生を全うし、第2世界で生を
全うし、その後、他の世界で生を全うするというのを永遠に繰り返す筈だった。
エマたちと出会う前は死んだらどうなるんだとか、心配して夜も眠れなかった
りした時も有るが、今は異界のシステムを知っているので、他の世界に行くだけ
のことと理解でき、微塵も心配はしていない。
だが、魂流から魂を抜き出されてしまったら、博士の様に隔離された世界で生
きる以外、消滅の道しか残されていないのだ。
「焦る気持ちは私にもわかるよ。私も経験してきた道だ。
そんな君に選択肢を伝えるよ。
一つは、邪魔してくる奴らから”魂流”を守るべく、戦うことだ。
そして、万が一、魂を抜き出された場合、私の様に隔離された世界で生きるとい
う道。
もう一つは、過去を戻り、産まれる前に行き、産まれるタイミングをずらす道。」
オイラが生まれるタイミングを過去に行って変更してくる?
「博士、タイムトラベルなんて、できないじゃないですか?
もし、できたとしても、オイラの生まれるタイミングがズレたからって、産まれ
ることに変わりないなら、結果は変わらないですよね?」
「もし、君の生まれるタイミングが0.01秒でも変わっていれば、君に入る魂
が違っていた可能性が高いんだよ。
君は異界のトラブルに巻き込まれず、第1世界で普通の人間として生を全する
人生を歩むことができた筈なんだ。」
読んでいただき、ありがとうございます。
生まれるタイミングで、肉体に宿る魂が変わるということを博士は善行に伝えたい
のです。そして、博士はそれを善行に勧めているようです。
ただそれにはタイムトラベルが必要となり、実現不可能に見えますが・・・




