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シャイな鉄ヲタが何かをするようです  作者: Bトリー


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510/524

511.二人の魂が揺らぐようです

-生と死の境界を越えた領域-


「博士、ここは博士の物語の世界なんですよね?

いや・・・どうも腑に落ちないんですよね。

物語の世界に”魂流”があったり、それを妨害する存在が出てきたりするのは、まぁ

物語だからアリかなって思うんですよ。

でも・・・」

 オイラは博士を真っすぐ見つめる。

「その妨害する存在が、僕に直接接触してきたのが・・・物語の世界なら有り得な

いんじゃないかって思うんです。」

 自分でしゃべっていても、釈然としない。


 博士は善行の言葉を聞き、ふっと表情を緩めた。

 それは、長い間隠してきた真実にようやく触れられた者を見るような、どこか安

堵の色だった。

「……やはり気づいたか。君の感覚は鋭い。

いや、“鋭い”というより――本来の姿に戻りつつあると言うべきか。」

 博士は白衣の裾を払って善行の前に立つ。

「ここは“物語の世界”などではない。

そう呼んでいたのは、あくまで君を守るための方便だ。」

 オイラは息を呑む。

 

 博士は静かに続けた。

「この領域は、異界から切り取られた“隔離世界”だ。

魂流を守るために、創始者が自らの力で編み上げた防壁の一部。

外界の干渉を遮断し、魂の流れを保つための――いわば避難所だよ。」


 博士の声が低くなる。

「だが、完全ではない。

境界が揺らげば、外の者が入り込むこともある。

君に接触した妨害者は、その“揺らぎ”を利用したのだ。」

 善行の胸がざわつく。

 博士は善行の肩に手を置いた。

「そして、君がそれに気づけた理由こそが――

君が“境界適性”を持つ者であり、この世界に選ばれた存在である証拠だ。」



ー界王城-


「準備を急げ! 至急、第9世界へ向かう!」

 界王ティアマトは、配下に鋭く命じた。

 その声には、界王としての威厳よりも、焦りが色濃く滲んでいる。


 ティアマトの脳裏には、最悪の光景が浮かんでいた。

 <<“魂流”の妨害者による、善行の消滅>>

 妨害者たちは、魂流から“都合の悪い魂”を抜き取り、その存在を歴史ごと消し去

ることを目的としている。

 魂流から切り離された魂は、存在そのものが“なかったこと”になる。


 そして――今回の事態をさらに深刻にしている問題がひとつあった。

 ティアマトと善行の魂は、同じ源を持つ。

 二つの肉体に宿りながら、根底では一つの魂として繋がっている。

 ゆえに、妨害者がどちらか一方の肉体に触れた瞬間、

 その魂全体が危険に晒される。


 ……善君が狙われたということは、私も例外ではない。

 魂そのものが断たれれば、どちらも消える。

 ティアマトは唇を噛みしめた。

「急がねばならん。

妨害者が再び動く前に、彼を保護し、魂流の揺らぎを止めるのだ。」


読んでいただき、ありがとうございます。

魂を亡き者にしようと企てる敵の存在。

ティアマトと善行の魂が同一。

そして彼らは何故、”魂流”を妨害するのか。

徐々に明らかになっていきます。


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「シャイな鉄ヲタが何かをするようです」
の補足事項は本文に記載してしまうと脱線しそうですので、
「シャイ鉄 補足事項」として記載していきます。

登場人物紹介、世界の成り立ちなど、本文に書ききれなかった
補足内容について記載していきますので、よろしくお願いいたします。
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