509.魂の流れから切り離されることもあるようです
-界王城-
「ティアマト様、善行殿は第9世界に行かれたようです。
そして、例の場所に向かわれたとの報告が入っております。」
「ということは、例の物語を見る可能性が高いということだな?」
「恐らくは。配下の者からそろそろ連絡が・・・
どうやら例の物語と接触したようです。」
ティアマトは天井を見上げて、呟いた。
「善君も驚くだろうな。元を正せば、私だなんて・・・。」
-生と死の境界を越えた領域-
「君は界王だろ?そうだよな、そこに居る私?」
「はぁ、どうしてバラすかな。善行はまだ知らないんだよ。本当のことを。」
なに、なに、なに、超わからない感じになって来たんですけど・・・。
博士はアークライトって言う、コピの御先祖様だよな。
でも、アークライトはコピと同一人物?
そして、オイラは界王?ひょっとして、界王様とオイラが同一人物?
訳が分からん!
「そうだったか。それでは説明するとしようか。
君たちが見た”魂流”だが、元々はここではなく、異界城の中に流れていたんだ。
しかし、ある時、”魂流”に妨害を企てる者が現れたんだ。
コイツが粘着質なヤツで、本当にあの手この手で妨害してきたんだ。
私は当時、界王直属の”魂流”監理官だったんだ。
ある日、奴らの罠に嵌って、”魂流”もろとも界王城が消されそうになった。
そのとき、私のガジェットで、”魂流”を界王城から取り出し、奴らが妨害でき
ないように、第9世界のここに封じ込めたって訳さ。
ただ、私も一緒にこの世界に閉じ込められてしまったのさ。」
スケールが大きすぎて全然実感がわかない。
そもそも、博士がスキルー一族の創始者であるなら、なぜ”魂流”監理官に?
オイラは気になったことを博士に尋ねた。
「あー、そのことか。確かに私はスキルー一族の創始者だ。
第9世界に閉じ込められる直前に、私を分離させ、もう一人の私は異界に脱出
させ、私はこちらに残った。
この分離体が、スキルー一族の始まりだな。」
なんと、スキルー一族の始まりが、危機から生まれたものだったなんて。
「分離したとはいえ、さすがに能力は完全に複製できなかった。
異界に逃がした“もう一人の私”は、元の3割ほどの能力しか持っていない。
だが、その3割でも異界の情報収集には十分だった。
奴ら――魂流妨害者の動き、異界城の変質、そして“魂流の系譜”に関する記録。
あらゆる情報を集め、私に送り続けてくれた。なぁ、そこの私。」
言われてみれば、この博士のしゃべり方はコピに似ている。
コピは俗なしゃべり方だが、これをもう少し上品にした、ミタイナ感じだ。
「そうそう、大事なことを言い忘れていたよ。
スキルー一族は、全員が”魂流”から切り離された存在なんだ。」
読んでいただき、ありがとうございます。
博士の口からついにスキルー一族の成り立ちが語られ、物語は核心へ
と近づき始めました。
まだ多くの謎が残っていますが、少しずつ真実が姿を見せていきます。




