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シャイな鉄ヲタが何かをするようです  作者: Bトリー


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506/524

507.魂の流れには逆らえないようです

-生と死の境界を越えた領域-


 博士の言葉を反芻していると、青白い粒子の滝が、ふとこちらへ“寄ってくる”

ように見えた。

 いや、寄ってくるのではない。こちらの認識が、あちら側へ滑り出している。

「……博士、なんだか、触れられそうな気がします」

 思わず手を伸ばすと、博士が軽く制した。

「触れることはできる。だが、“触れたつもりになる”だけだよ。

あれは物質ではない。方向も位置も、そもそも定義されていない。

ただ――君が触れたいと思えば、触れたという“結果”だけが先に現れる。」


 博士は手すりに寄りかかりながら、粒子の滝を見上げた。

「魂の直線は、世界ごとに傾きが違うと言ったね。

だが、もう一つ重要なことがある。

直線の“長さ”は、本人には決められないということだ。」

「長さ……?」

「そう。魂がどれだけの世界を渡り歩くか、どれだけの瞬間を積み重ねるか。

それは本人の意思ではなく、世界が生まれる前から流れている魂の潮流、”魂潮”

が決める。君が今見ているのは、その魂潮が魂を“編み直している”瞬間だ。」


 青白い粒子が、まるで糸のように絡まり、ほどけ、また別の形へと組み替わっ

ていく。その動きは規則的でありながら、どこか生き物めいていた。

「博士……あれは、誰かの魂なんですか?」

「誰か、というより、“誰でもあり、誰でもない”。

魂は世界を移るたびに、少しずつ形を変える。

だから、ここにあるのは“個人”ではなく、“可能性”だ。」

 

 博士は静かに笑った。

「君も、あそこに触れれば分かる。

自分がどれだけ多くの世界を歩いてきたか。

そして――これからどれだけ歩くことになるのか。」


 青白い光が、主人公の指先にふわりと触れた。

 触れた瞬間、胸の奥がざわりと震えた。

 懐かしさとも、恐怖ともつかない感覚が波のように押し寄せる。

「……これ、僕の……?」

「さぁ、どうだろうね。

魂潮は、君に“思い出す準備ができた”と判断したのかもしれない。」

 博士の声が、どこか遠くに聞こえ、目の前の視界が変化し始めた。


読んでいただき、ありがとうございます。

魂潮という新しい概念を入れてみました。

この魂潮が今後の展開のカギとなります。


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「シャイな鉄ヲタが何かをするようです」
の補足事項は本文に記載してしまうと脱線しそうですので、
「シャイ鉄 補足事項」として記載していきます。

登場人物紹介、世界の成り立ちなど、本文に書ききれなかった
補足内容について記載していきますので、よろしくお願いいたします。
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