465.温泉だからと言っても平穏とは程遠いようです
-第2世界 自宅 温泉棟-
界王様が宣言した通り、温泉棟は30分で出来上がっていた。
しかも、ご丁寧なことに湯上がり処まで作られていた。
界王様のことだから洋風な建物をイメージしていたが、純然たる和風の建物。
湯上がり処には、マッサージ機、瓶の牛乳完備と至れり尽くせりだ。
「善君、お待たせ!丁度出来上がったところだよ。さぁ、入った入った!」
界王様が素直にそう言うと、何か隠しているのではと疑ってしまう自分が居る。
折角、気を使って作ってくれたのだから、素直に感謝して入ればと思うけど。
入口の暖簾をくぐると、立派な更衣室が目の前に飛び込んできた。
普通の温泉にあるような脱衣棚ではなく、シャワーブースのようなものが10
近く設置されていて、その中で着替えとかを行う仕様になっていた。
早速服を脱ぎ、前をタオル一枚で隠すようにして、温泉に・・・?
そこに有ったのは、確かに温泉。間違いなく温泉なのだが、なぜ嫁達が?
「善君、遅かったわね。私達の方が先に入っちゃったわよ。」
「いやー、どこに服脱いだらいいのかとか悩んじゃって・・・ってちがーう!
男湯だよね、ここって?エマ?」
「善君、男湯とか分かれてないんだって。要は混浴だって!」
なんてものを作ってくれたんだ界王様は・・・。
「善行!何をそんなに慌ててるんだ?」
コピが潔いぐらい、何も纏わない姿で仁王立ちしている。
「ば、バカ!目のやり場に困るだろ?せめて、温泉に浸かってくれ!」
「旦那様?私はどうだろうか?」
今度は、リンがそう言って何も纏わない姿で仁王立ちしている。
「善行さん?私はどうでしょうか?」
シャーロットまで同調して、何も纏わない姿で仁王立ちしている。
「夫婦なんだからいいでしょ?善君!」
エマがそう言って、オイラを強引に温泉に引き込もうとする。
他の3人も一緒になって・・・。
「ちょっと待った!」
オイラは思わず声を張り上げ、嫁達を制止した・・・はずだった・・・。
いきなり後ろから腕が回され、がっちりと羽交い絞めされている。
さらに、背中に”何か”押し当てられている感触がした。
「室長、愛人枠の私を忘れてません?」
耳元で聞こえたのは、綾香の声だった。
「おま、おまっ、何してるんだ?というか、この背中の感触はなんだ?」
「そんなの決まってるじゃないですか。室長、嬉しいくせに!」
綾香は妙に得意げだ。嬉しいには決まっている。決まっているのだが、そんな
ことしたら、おいらのジュニアが大人の階段上ってしまう!
「善行さん、逃げ場は有りませんよ?」
シャーロットまで楽しそうに言う。
そして、嫁達が前から・・・。
「善君!大丈夫?しっかりして!」
見たことのない天井が見える。界王様が新しく建てた温泉棟だ。
「オイラはなんで倒れているんだ?」
「温泉に入るところで、足を滑らせて、そのまま温泉に沈んでたんだから。
もう、心配させないでよね。フー、大丈夫そうで良かった・・」
「・・・夢、か。」
にしても、リアルな夢だったな。
鏡に映った自分を見る。別にけがはしていな・・・ん?
「だれだ!ここにミニマルって書いたのは!」
「室長、さっきの時はミニマルじゃなかったから安心してください!」
さっきの現実かよ・・・。
読んでいただき、ありがとうございます。
トラブル対応が続いてましたので、閑話休題として温泉編を書きました。
・・・とはいえ、結局ここでもトラブルが発生してしまうあたりは、
もうご愛敬ですね。




