463.世界を改革するはずが二人を改革していたようです
-第26世界 界長執務エリア-
食事を終え、バスティアンさんが図書室を案内してくれた。
この建物の中には建物の住民向け図書館もあるのだが、代々の界長が引き継ぎ管
理している資料などは、執務エリア内の図書室に保管されているとのこと。
広さは小学校などの図書室くらいは有りそうだ。
「善行さん、この資料が昔の鉄道が写っているものです。」
そう言って資料を見せてくれた。
線路は貧弱な線路を馬が屋根なしの客車・・・と言うよりは貨車に近いものを牽
いている。でもカラーなんだよな、この写真。
「バスティアンさん、ひょっとして異世界から現れた人って結構多いんじゃないで
すか?しかも、時間軸もズレた状態で。」
「気づかれましたか。おっしゃる通りです。
異世界と言っても、本当に出身もバラバラで、しかも、時代までバラバラでして。
そうそう、面白い話がありましてね。
以前、同じ異世界出身の人が二人、同時に現れたことがあったんです。
調べてみると二人は同い年で、突然この世界に来て心細いだろうと思い、まずは、
顔合わせをしてもらうことにしました。
ところが、話をさせてみると、どうにも噛み合わないんです。
一人は携帯型の電話を持っているのに、もう一人はそれを知らないどころか、
『電話なんてお金持ちの家にしかない』と言うんですよ。
不思議に思って詳しく聞いてみたところ、二人は同じ世界の出身ではあっても、
生きてきた“時代”がまったく違っていた、というわけなんです。
もう二人共別の世界に旅立ってしまいましたが。」
その後も資料を見せてもらい、この世界の文化レベルは産業革命後+魔法と
言ったところだった。
ちょっとインターネットとかは飛躍しすぎのような感じだが、便利になるの
は間違いないし、貨幣経済ではないから、アクドク稼ぐ輩は出てこないだろう
から心配しなくても良いか。
「では、本題に入りますわね!ズバリ、あなた方はどういう間柄なのです?」
応接室に戻り寛いでいると、シャーロットがいきなり言い放った。
「え?バスティアンとの関係?単なる腐れ縁よ!」
「シャーロットさん、ルーデリッヒとは本当に昔からの顔なじみ・・・と言っ
たところですよ。」
「バスティアンの心は、ルーデリッヒにバレたらどうしようと、不安の色が
濃いみたいだぞ。言っちまえよ、前から好きだったって!」
は?仲は良さそうだが、そういう風には見えなかったが。
「コピさん、な、何をおっしゃってる・・・の・・・です・・・」
大男がモジモジし始めた。正直に言おう!気持ち悪っ・・・。
「本当なの?バスティアン。わ、私も実は・・・前から・・・」
マジかいな?コピが変な幻惑使って、二人をそそのかしてないよね?
まぁ、両想いだったみたいだから、まっ、いいか!
本当は、今後の物流改革とか話すつもりだったのに・・・。
読んでいただき、ありがとうございます。
何故か第26世界の改革ではなく、バスティアンとルーデリッヒの恋路
を成就させる方向に進んでしまいました。
本当は改革の話をするはずだったのに・・・。




