461.吹雪が終わり、第26世界に日が射すそうです
-第26世界 大型雪上車車内-
「ま、まぁ、まずは吹雪を止めてからでも、遅くない・・・わよね。」
ルーデリッヒさんが、自分が言い放った一言で車内が凍り付いたことに気づき、
自分でフォローした。
「大丈夫ですよ。何しろ、今回の件は界王様の勅命ですから、そのあとのフォロー
も当然、界王様がしてくれますから!界王様がしてくれますから!」
「善行、なぜ、じっちゃんがしてくれるって繰り返した?」
「大事なことだ。こう言っておかないと、大概、オイラ達が尻拭いする羽目になる
だろ。たまには第2世界でゆっくりとした日を送りたい!」
-第26世界 祠-
走り始めて約3時間で、目的地に到着した。
車内には防寒具や命綱などが準備されており、全員が装着し、雪上車を降りた。
「さっぶー」
意識しないでも、勝手に言葉が出る。
「いや、これでも今日は暖かい方ですよ。いつもはー40度ですから。」
オイラは心の中でバスティアンさんに謝罪した。
「地図に書かれていた祠が有りました!この中に、吹雪の発生装置がある筈です!」
目の前には西洋風の小さな家みたいな祠が立っていた。
木製のような金属製のような不思議な素材でできている。
こんな吹雪に耐えるのだから、不思議ではないか。
ドアを開けると、中にはスーツケースが置いてある。
そこには ”この中を覗いたら死ぬ 異界管理局” と書かれていた。
絶対に悪戯じゃん!
「コピ、悪戯だとは思うけど、念のためスキル体で中を覗いてくれないかな?」
「ちょっと待ってろ・・・罠じゃなさそうだ。それより、この手紙を見てくれ!」
コピからスーツケースの中に入っていた手紙を読む。
「ゲント兄さん 誕生日おめでとう!!これからもいっぱい遊ぼうね!!」
なるほど、幼少期の界王様が書いたものだな。
あっ、そうだ。界王様に電話しないと・・・電波が無い!
そうだよ、吹雪以前に携帯なんてこの世界には無いんだった・・・。
装置の停止はどうやればいいんだろ?そうか、ガジェットジャンキーが居る!
「エマ、このケースの中にある装置を止めて欲しいんだ。やってくれるかい?」
「いいの?やるわ。その代わり、停止した装置持って帰っても良い?」
「あー、状況次第だな。最初に界王様に見せないと。
界王様がOK出したら、その時は持って帰ってもいいよ。」
10分後、エマはドヤ顔でスーツケースの中を見せて来た。
祠の外を見ようと、外に出ると日差しが降り注いでいた。
そして、温度はゆっくりと温まっているように感じた。
むしろ防寒着が暑い。全員同じように感じていたらしく、その場で防寒着を
脱ぎ捨てた。
「バスティアンさん。まだ、変化は始まったばかりですが、これから気候など
も大きく変わると思いますよ。想像できないことが、山のように起きると思い
ます。そんなときに相談できる環境を整えましょう。
まずは通信網の整備、次に物流の整備、そして、生活基盤の整備と進めて行く
ことをお勧めします。」
「この世界の住民が笑顔で過ごせるように、全力を尽くします!」
そう言ったバスティアンさんの横顔は、日差しに照らされ輝いていた。
読んでいただき、ありがとうございます。
無事に吹雪発生装置は停止することができました。
日が射し、これからは外での生活をすることもできるようになりそうです。
ただ、善行達は、いつまでもこの世界に携わることはできないため、界王様に
丸投げして自分たちは第2世界に戻りたいと考えています。




