451.無事に特効薬を届けられても人を運べるかは別問題のようです
-第26世界 中央駅地下研究室-
117系を使った方が速いとアドバイスしたのはオイラだけど、いざ、真っ暗な
トンネルに姿を消してしまうと、なんか切ない気持ちになった。
なにしろ、隣の建物まで上手く行けたのは前回の実験だけと言う、恐ろしいほど
の信頼性の無さ・・・。
それだけに、オイラが運転するつもりでいたのに、嫁達に全力で止められてしま
った。
「そう言えばミーヤさん、先日の実験は新しく開発したセグメントを使用したって
おっしゃいましたけど、どのようなものなんです?」
「うーん、それを聞いちゃう?聞いちゃうかー?えー、どうしようかな?」
何か前に同じような場面に出会っていたような気がしてイラつく。
「あっ、ウソ、ウソ。善行さんはもともと第1世界の人間よね?」
「ハイ、そうです。」
「そして、第2世界まで列車で来たと。その時、世界を渡っているのよね。
これと同じことよ。」
つまり、第1世界と第2世界の間に時空壁が有って、強引に穴を開けると時空の
壁が崩れて、急に違う世界へ飛ばされてしまうことだってあり得るのだ。
そこで、第1世界と第2世界を結ぶ路線のトンネルに、時空の壁が崩れても影響
が無いように時空シールドを展開しているのだ。
「ま、第1世界と第2世界で使用しているのと同じだから大丈夫よ!」
そんな簡単に言われても・・・。
-第26世界 隣の建物?-
地下のトンネルから列車の甲高いタイフォンがする。
医者たちは急いで、先日鉄道トンネルが繋がった地下に向かう。
「この列車はあと30分で折り返す。至急荷物を降ろされたい。」
コンピューターの合成音声が地下に響き、各車両の扉が開いた。
「特効薬を運んでくれたのか!ありがたい。至急車両から降ろすぞ!
仲間をかき集めて来てくれ!」
そして、集められた20人近くの人数で荷物を降ろし始めた。
「あと5分で折り返す。至急荷物を降ろされたい。」
再びコンピューターの合成音声が地下に響いた。
「この列車はコンピュータが自動で運転しているようだな。
コンピューター君、聞こえるかい?
私はここで医師をしている、エベッケンという者だ。
界王様に今回の件で、直接お会いしたいのだけど、乗せてもらうことは可能だろ
うか?」
「現在、実験中のため、命の保証はでき兼ねる。それでも良ければ。」
5分後、エベッケンを乗せた列車は、再び真っ暗なトンネルをもと来た方へと
疾走して行った。
読んでいただき、ありがとうございます。
無事に117系は隣の建物まで到達し、特効薬を渡すことができました。
一方で、行きはこれで2回実験に成功していますが、帰りの実験はまだ
行っていません。
そんな中、人が乗っても大丈夫なのか、心配なところであります。




