449.地下連絡列車が思わぬ使命を帯びるようです
新年あけましておめでとうございます!!
本年もよろしくお願いいたします。
-第26世界 中央駅地下研究室-
「今回開発した、このセグメントで上手く行くはずよ!」
ミーヤは列車を遠隔で走行させながら、オイラ達に言い放った。
彼女が操作している装置の走行距離が10キロを超えている。
ちなみに、この世界では地下空間のどこで今回のような障害が発生するのか定ま
っていないとのこと。
しばらくして、走行距離は20キロを超えた。
彼女の顔から緊張が解けているのがわかる。
むしろ、ここまで上手く行っているので、興奮して紅潮しているようだ。
そして、遠隔操作している前面展望が遠くに前照灯以外の明かりを捕らえた。
これは上手く行ったのか?
「成功・・・成功だわ。これで、この世界の輸送は格段に良くなるわ。」
列車は隣の建物に作られた地下駅に無事到着することができたようだ。
前面展望の映像には、列車の前で何かを叫ぶ男の姿が映っている。
「ミーヤさん、彼は何かを伝えようとしているみたいですけど、マイクとかついて
無いんですか?」
「音声ナシの動画だけしか設置してないわ・・・。」
ん、なんか嫌な予感がする。
「この列車はどうやって回収するんです?」
「隣の建物に行くことだけを考えてたから、遠隔操作も片側にしか対応していない
のよね・・・どうしましょう・・・」
-第26世界 隣の建物?-
噴水が設置された大きな広場は、ここが建物の中だということを忘れさせる。
しかし、その広場には、カプセルで覆われた簡易ベッドが無数に設置され、患者
と思われる衰弱しきった人々が寝かされていた。
その中を忙しく白衣を着た医者が動き回っている。
「薬はまだかっ!?このままではこの建物の住民が全滅してしまうぞ!?
なんとしても、他の建物と連絡を取るんだ!?」
「この吹雪で通信網が切れて、他の都市と連絡ができない!
いや、待てよ。隣の建物から地下を通る列車の実験をやってたな。
どうなっているのか見てくる!」
毎年恒例の感染症で特効薬も存在している。
この特効薬の製造は界長自らが行っており、中央駅が設置された建物の中で製造
され、鉄道を使って、各建物に配布されている。
いつもなら、感染症の発生を知らせると、すぐに特効薬が配送されている。
しかし、通信が断絶された今、感染症の発生を知らせることができないのだ。
-第26世界 中央駅地下研究室-
「さっきの男は医者?のようですね。ん、紙に何か書いて、こちらに知らせようと
していますね。”感染症発生、至急特効薬を配布されたし”って書いてあります。
これは急いで界長に知らせないと!」
一緒にいたルーデリッヒはそう言い残して、どこかに行ってしまった。
なんだか、また厄介ごとに巻き込まれる予感が・・・。
読んでいただき、ありがとうございます。
地下に鉄道を走らせる実験は成功したようです。
地下に走らせる列車は、よく考えたらラック式でなくても良いんですよね。
詰めが甘かったです・・・。




