448.第26世界に新しい風を送り込もうと努力するようです
-第26世界 地下研究室-
「あっ、コピじゃない?ずいぶん久しぶりね。100年ぶりぐらいかしら?」
「げっ、ミーヤ・・・」
あからさまにコピが嫌な顔をした。
「私がまだ嫁に行ってないのに、年下のアンタが先に嫁ぐって思わなかったわ。」
「アタシの勝手だろ!
だいたい、研究しか頭にないから婚期を逃したって、みんな言ってんだぞ。
ジョセフだってアタシがセッティングしたのに、研究が忙しいからって・・・。」
何だろうか、相当な難物が現れた気がする・・・。
「あのー、初めまして栢山善行と申します。コピの旦那・・・です。
どうぞよろしくお願いいたします。」
「えっ、この人なの?あなた、いくつなの?
どう見ても若い・・・若すぎるわよね。
コピの年齢知ってて結婚したの?遥かに年上じゃないの?」
コピが”ゲッ”と言う顔をした理由がよくわかった。
「ミーヤ、そんなことより列車が消えた時の話をしてくれ!」
「そ、そうだったわね。
あの日は、隣の建物までトンネルを掘削機で掘って、レールを敷いたわ。
この辺は簡単にできたの。時間促進をかけた状態で機械を動かしたから、20分
位かしら。あっ、隣の建物との間は30キロくらい離れているわ。」
30キロの距離を20分で地下にトンネル掘って、レール敷設するなんて凄い
な。時間促進はオイラでもできるなら覚えたいな。
「で、レールの上に列車を出して、遠隔操作で隣の建物に向かわせてたの。
急に目の前い黒い幕みたいなものが現れて、ブレーキをかけたけど、間にあわな
いで突っ込んでしまったわ。ちなみに、列車は無人で遠隔操作してたの。
だから、誰も犠牲にならずに済んだわ。」
「その時の映像って残ってたりしませんか?」
「あるわよ。ちょっと待って、そこのモニターに映し出すわ。」
映像には誰も乗っていない運転席からの展望映像が映し出されている。
「もうすぐよ。そう、ここ!ここの地点で黒いものが見えて、一瞬で映像が途切
れたの。」
トンネル内に照明は点いていないが、前照灯でトンネル内を照らし、レールが
伸びている映像がわかる。
手元の操作機器に走行距離が表示されており、12キロを超えたところで、黒
いものが一面に見え、次の瞬間映像が途切れていた。
「でね、今日はリベンジに来たのよね。
丁度いいわ。貴方達もアタシの新しい実験を見ていくといいわ。
これが成功したら、この世界の物流に革命が起きるわよ!」
そう言って、ミーヤはモニターにシールドマシーン先端、後方の映像を映し出
し、スタートボタンを押した。
先端はドリルが穴を掘っていく状況が映し出され、後方は掘削された穴に壁(
セグメント)を作っていく。しかも、時間促進がかけられているので、ビデオの
早回しを見ている感覚に陥る。
「あのー、これって第1世界のシールド工法では?」
「良く知っているわね。若いのに。
でも、それだけじゃないのよ。セグメントに工夫を凝らしているのよね。
これが上手く行けば、恐らく今回のようなことは起きないわ!」
ミーヤは力強く宣言した・・・が、コピは疑惑の目で見ている。
読んでいただき、ありがとうございます。
ミーヤはコピの叔母に当たります。詳細はまた、別の機会に。
本年はここまでとなります。
来年もよろしくお願いいたします。良いお年を!




