441.界王一族に入ると民間人扱いしてくれないようです
-787系車内-
「さぁ室長、行きますよ!」
綾香は軍用列車の乗務員拿捕せんと、やる気満々だ。
「あのさぁ、オイラって民間人だよね?乗務員拿捕とか民間人がやる事かな?」
どうだ、この理屈で押し切れないか?オイラはそんなことしたくない!
「えっ、室長は民間人じゃないですよ。だって界王一族じゃないですか?
それって異界の民を守る人たちですよね?」
何だと・・・オイラ、異界では民間人扱いしてくれないのか。
「それに室長は、あちこちの世界で活躍して名前が売れてるんですよ。
一般の民間人が、そんなに世界をまたいで活躍できます?」
こともあろうに、綾香に論破されてしまった・・・。
-軍用列車車内-
渋々、綾香の後に続き、軍用列車に乗り込む。
「室長?先頭切って乗り込んで頂いても、オカシクない身分なんですけど?」
絶対にイヤだね・・・!
軍用列車は5両編成で、1両目は機関車、2両目は指令車、3両目から5両目
が一般客車になっている。
オイラ達は2両目の指令車に乗り込んだ。
「はーい、異界管理局・鉄道管理部でーす。
一番エライ人とお話したいんですけど、どなたですか?」
すると、大量のバッジを付けたガタイの良い軍人が前に出てきた。
「私だ。クリューガー大佐だ!」
あれ、この人の名前どこかで聞いたような・・・。
「では、クリューガーさん。全員こちらの列車に乗り込むように指示をお願いし
ます。あ、異界管理局では拷問して自白させたりとかしませんから安心してくだ
さい。」
異界管理局には敵わないというのは理解しているようで、こちらの指示におと
なしく従って、787系に軍用列車に乗っていた全員が移乗した。
軍用列車は異界管理局の運転手が運転して、管理局鉄道整備部にフェリーする
ことになっている。
-787系車内-
「クリューガーさん?私は栢山 善行と申します。
突然ですがブリーデルさんをご存じですよね?」
「姫が・・・どうかされたのですか?」
「あ、いや、そうじゃなくって、知り合いなんですよ。
ですので、悪いようにはなりませんから。どうぞ、ご安心ください。
で、ですね、クリューガーさん達は、どうしてあそこを走っていたのですか?
第7世界の軍用列車ですよね?」
「はい。姫と第7世界を改革するため、同志を募りに各工場へ向かっていたので
す。その時、線路上に得体の知れない膜のようなものが現れ、気づいた時には、
第7世界を離れ、この路線を走っていました。」
これって・・・ひょっとしてゲートか?写真を見せてみよう。
「そうです、突然現れたのはこれです。機関手もブレーキをかけましたが、間に
合わず突っ込んでしまい・・・今に至ります。」
まさかと思うけど、管理されていないゲートとか、第7世界に残ってるんじゃ
ないのか?早いとこ、手を打たないと同じようなことが起きるかもしれない。
今回は、たまたま衝突しなかっただけで、一歩間違えば大事故だ。
綾香に言って、管理局から手を回してもらおう!
読んでいただき、ありがとうございます。
第7世界に現れたワープゲートの件を見るに、どうやら“固定式”という前提
そのものが揺らいできました。
異界の仕組みは、まだまだ私たちの想像以上に気まぐれなようです。




