439.界王様はTシャツ、ジーパンで現れるようです
-異界管理局 鉄道管理部 コントロールセンター-
「ティアマトのおっさん。何しにきやがった?」
コントロールセンターに笑い声を含めた威勢いい声が響く。
「おー、ユーリアス。ここの人達、界王だって認めてくれないんだよ・・・」
「ハハハ、そいつぁ、おっさんの服装に問題が有るってもんだ。
だいたい、そのしみったれた格好ではなく、もう少し、威厳を持った服装なんか
着ちゃーどうだい?」
「威厳を持った服装ってどんなのが有るよ?」
「例えば、第1世界の司祭のローブみたいなものを纏ってみちゃどうだ?
背中に”Sovereign of Realms”って書いたTシャツにジーンズの恰好より、格が断
然上がるってもんだろ?」
「善処するよ・・・」
その場に居た他の職員は、二人のやりとりを唖然として見ていた・・・。
「いや、ユーリアス、今は緊急事態なんだ!
異界連絡A8線に正体不明の列車が現れたでしょ。
あれ、第7世界の列車なんだけど、”時間”がずれているみたいなんだ。」
「時間がずれてるって・・・発車時間がずれているとかじゃねぇよな?オジキ。」
「君も知っていると思うけど、今の第7世界に軍用列車なんて存在しない。
それなのに、あの列車は今、我々の時間を走っているわけだ。
多分、なにか時空の壁に問題があるのではと思うんだよね。」
「かと言ってよ、異界管理局じゃどうにもできねぇぞ!
それとも、何か策があるのかよ?」
「あー、そっちは何とかするけど、軍用列車は拿捕しないと、他の世界にも影響
が出かねないからさ、よろしく頼むよ。」
「おーし、野郎ども!今聞いた通りだ!軍用列車拿捕作戦の開始だ!」
こうして、第7世界の軍用列車を拿捕すべく、異界管理局が動き始めた。
-第2世界 自宅-
「キハ81系持ってきちゃったけど・・・これ、どうすんのさ?」
「あーそれね。綾香がこっちに仕事に来た時に持って帰ってくれるって。
それまで地下で預かることになってるわ。だから、心配いらないわ。善君。」
スゴい話だよな。車を1台持って来たのではなく、列車を1編成持って来たの
だ。それを、一人の職員が取りに来て、管理局迄運転して帰るって言うのだ。
まぁ、良いか。無事にこうして帰ってこれたし、ゆっくりしよう。
”プァーン”と言う音が地下から響く。
「あれ、今日誰か来る予定有ったっけ?」
「今日は誰もいらっしゃる予定はないはずですけど。」
ダダダダという廊下を走る音がしたと思ったら、リビングの扉をバタンと開い
て誰かが入って来た。
「室長、大変です。あの軍用列車ミタイナの、第7世界の軍用列車なんです。
急いで拿捕せよと界王様から指示が出ました。」
「そうか、報告ご苦労さん。頑張ってね!応援してるよ!」
「はい、行ってき・・・・違いますよ。室長も行きますよ!」
「いや、そうは言うけど、管理局の職員でもないんだからさー。」
「室長、それ言います?言っちゃいます?いいんですか?本当にいいんですか?
あのこと、ここで皆さんに聞いていただいても良いんですよ?」
ん、何か綾香に脅されるようなことしてたっけ・・・。
読んでいただき、ありがとうございます。
軍用列車が時間のズレで異界に現れたまでは分かりました。
界王ティアマトは軍用列車を拿捕することで、より原因がはっきりするのだと
考えているようです。次回に続きます。




