438.嫁達のサプライズ運行だけでなく、軍用列車にも驚かされるようです
-キハ81系 車内-
列車は少しずつ加速していく。
見えていた軍用列車は徐々に遠ざかっていく。
「これは、管理局に伝える必要があるな。エマ、急いで連絡だ!」
「善行、エマは自宅に居るのだが・・・私が居ないことに気が付かないとはどうい
うことだと怒っているが・・・」
どおりで、エマの声を聞かないはずだ。あとで埋め合わせしないと。
「なーんて、善君。驚いた?」
目の前の運転手が帽子を取ると、目の前には運転手の制服を着たエマが居た。
ってことは何か?この列車はうちの嫁達が運行していたと。
「ひょっとして、行きから乗ってたの?」
「善行、アタシはスキル体でどうとでもなるが、他の3人は無理だぞ。」
なんでも、結果が気になり過ぎて、M-497で異界管理局に駆けつけたと。
で、オイラが列車整備部で色々と見学している間に、準備して現在に至ると。
「ところでさ、さっきの軍用列車って見覚えがあるんだけど、第7世界のじゃない
よね?第7世界は、軍務世界から脱却を進めてて、鉄道もすべて第2世界の技術を
導入して再構築してるはずだし。」
第7世界の鉄道は第2世界の技術者が派遣され、第2世界の鉄道と同じく電車運
転を基本とし、既存の車両は全て置き換えたと聞いている。
だから第2次世界大戦時にドイツで走っていたような軍用列車はないはず。
「善君、とりあえず異界管理局にはデータを既に送付済みだから、後はあっちに任
せましょ。」
よし、まずは家に帰って風呂入りたい!
ー軍用列車?-
「指令!先ほどの民間列車は既に我々の範囲を超えてしまいました。
軌跡をたどることはできると思いますが、いかがいたしましょう?」
指令と呼ばれた、この列車の指揮官は悩んでいた。
第7世界にはあのような列車は走っていなかったはず。
ましてや、この列車が異界を走行するなど、指示書には記載されていなかった。
第46工場駅を過ぎたあたりで、線路上に衝立に渦巻きが描かれたようなものが
突如として立ちはだかり、急ブレーキをかけたが間に合わず、突っ込んでしまった
のだ。その瞬間、車内の乗組員は全員、気を失った。
気が付いたときには、列車は異界を走行していた。
「先ほどの民間列車を追跡する必要はない。このまま前進せよ!」
そして、この軍用列車はそのまま前進を始めた。
-異界管理局 鉄道管理部 コントロールセンター-
「部長!大変です!先ほど正体不明列車が異界連絡A8線上に現れました!」
「そんなバカな。今時正体不明って、ナニ寝ぼけたこと言ってんだ!
どうせセンサーの故障だろう?鉄道施設課に連絡しておけばいいさ。」
「これが、本当なんだよね。」
「だれだ?ここは関係者以外立入禁止だぞ!」
ここは鉄道管理部のコントロールセンター。第1世界でいう運転指令所だ。
制服姿の人しかいないこの場所に、いきなりチャラい感じの中年男性が現れた
のだから、不信がるのも当然だ。
「えーとさー、これでも界王・・・なんだけど・・・自信無くしちゃうな・・・」
界王ティアマトは年甲斐もなく、下を向いて不貞腐れた。
読んでいただき、ありがとうございます。
キハ81系が異界で遭遇した列車は第7世界の軍用列車で間違いないようです。
しかし、第7世界は軍務世界でないため、このような列車はないはずです。
なぜこの列車が異界に現れたのか。この後明らかになっていきます。




