434.発車できないようです
-異界管理局 運転操作訓練所-
綾香からの圧が凄い。それに、ほんの少し金色の加護カードを持ってみたいとい
う欲望もあって、彼女に興味があることをほのめかした途端、ここに連れてこられ
てしまった。
「室長、ここでは管理局が所持するすべての列車の運転を訓練できます。
この模擬装置内に入ると、当該列車の運転席が現れるんです。
映像は偽物ですけど、運転台とかは本物と同じですよ。
ちょっとチャレンジしちゃいます?しますよね?ね?」
・・・やっぱり綾香の圧が凄い。オイラが金色の加護カードを持つと、彼女に何
か特典があるのだろうか?
「えっ、特にないですよ。
室長が加護カードを持ったとしても、異界管理局の職員じゃないですから、誰も得
しないんです。ただ・・・私と共通の話ができるじゃないですか?
そうすると、私のシナリオの幅が広がるんじゃないかと思いまして・・・」
そんな理由か・・・。まぁ、実際興味あるからいいんだけどね。
「よし、折角だ。キハ81系の訓練受けたいんだけど、できる?」
「もちろんですよ。ただ、レベル高いですから、上手く行かなくてもガッカリしな
いでくださいね。じゃぁ、行ってらっしゃい。」
模擬装置のドアを開けると、昭和レトロな雰囲気の運転台が現れた。
目の前の信号が青になった。ブレーキ開放、ノッチオン・・・。
・・・15分後、模擬装置から出たオイラは放心状態だった・・・
「室長!大丈夫ですか!初めてだから、上手くできないことだってありますよ。」
駅から発車すらできないなんて・・・
-異界管理局 局長室-
「お、その顔は楽しんでくれた・・・んだよな?綾香、オマエ何したんだ?」
「局長!わ、わたしは、なにもしてないですよ!
室長が模擬装置で、列車を発車できなくって時間切れになっただけですよ!」
「お前、善行に操作説明したか?」
「室長のことだから大丈夫だと思って何もしてませんけど・・・。」
「お前なー、善行は界王族の一員だぞ。もっと丁重に接しないと、いつの日か痛い
目見るぞ。」
「いや、鉄ヲタの室長がエンジン始動を知らないなんて、夢にも思わないじゃない
ですか?」
・・・それ、わざわざ言わなくても良くないか・・・
読んでいただき、ありがとうございました。
善行は電車の運転は慣れていますが、ディーゼルカーに至っては・・・。
次回は自宅への帰路につきます。




