431.からかわれているのに気が付かないようです
-第2世界 自宅リビング-
「善君の試験、そろそろ終わったころね。きっとびっくりしてるでしょうね。
試験と言う名の親戚の顔合わせだなんて。」
「旦那様が可哀想だぞ、全く。でも、”えっ”って顔した時の旦那様の顔を見れない
のは残念だな。」
「リンさん、その点は抜かりが無くてよ。叔父様には部屋にカメラを付けて戴いた
ので、後で送られてくるはずですわ。」
「なんか、お前ら善行のこと、からかって楽しんでないか?」
「「「「その通り!」」」」
嫁達4人の声がハモった。それを見た、セラフィーナさんは”この娘達は!”と言
うセリフが見てるだけで聞こえそうなほど、おでこに中指を当て、首を振った。
-異界管理局 駅及び列車整備部-
「スゲー」と思わず声が出てしまった。
三途川駅の地下も、そこそこ大きな車庫だと思っていたが、スケールが違う。
しかも、阪急梅田の横並びが無限に続いているような、それぐらい列車が止まっ
ているのだ。どう見ても、100近い編成が止まっている。
ここから見てわかるのは、4編成に一つ外に通じる穴が開いていて、エアーシー
ルドのような扉が付いている。ここは異界だから空気があるので、頑丈さは要らな
いと考えたいが、万が一テロでもあったらと言うことなのだろう。
「ここにはどれだけの列車があるのですか?」
「そうか、鉄道好きだって話だったな。ちょっと見学していくか?
急いで帰る用事があるなら別だが。」
「是非、お願いします。で、どれだけの列車があるのですか?」
「綾香、お前たち、どれぐらいに増やしたんだ?」
「増やした?」
「あっ、ここの列車は異界管理局が各世界に出向くときに、その世界の車両と同じ
もので行けるように準備したものなんですよ。
こないだ数えた時には、確か342種類、390編成ありましたね。
世界によっては、同じ車両で統一せず、複数の種類を使い分けているところも有り
ますね。第2世界は既に異界管理局分署みたいなものですから、敢えて準備してい
ませんけどね。」
「こないだの第75世界のICE3 403形もここから?」
「そうです、室長。ここにありますよ。」
「綾香はここの列車使うことできるの?」
「できますよ。運転加護持ってますから!
このカードが有れば、どの列車も運転できますよ。
基本はカードをセットしたら同じですから。」
そう言って綾香が、金色の加護カードをオイラに提示してきた。
「折角なんだから、オマエさんが乗りたいヤツが有ったら、綾香に頼むといい。
ひとっ走り、この辺を一周位してきても構わんぞ。」
おー、なんて分かる人なんだろう。ユーリアス叔父さんって。
全部を見ることはできないので、手前にある操作パネルで、どんな列車が停車
しているのか確認する。
――あった、あった、これだ!787系!
BM-363編成のデッドコピーじゃないか!
この編成だけが許された、ブラックメタリックのボディ。
全席グリーン車6両編成という、他の編成とは違う孤高の編成!
これが目の前にあるなんて……胸が高鳴る。
えっと……なになに?
第53世界では、この編成しか走っていないって?
読んでいただき、ありがとうございます。
列車は色々出そうと思ったのですが、敢えて1編成だけにクローズアップ
した形とさせていただきました。
ところで登場時の787系を見て、ポ〇モンの〇ワークに似ていると思うのは
私だけでしょうか。




