430.ハズレを引いたつもりがアタリということもあるようです
-異界管理局 食堂-
局長からカード渡されて、好きなところに並べって言われたけど、店が多すぎて
選べない。第1世界で言う、ショッピングモールのフードコートそっくりだ。
問題は店の数が、第1世界のそれとは比較にならないほど多いということだ。
「室長、お店決まりました?多いでしょ、ここ。」
「多すぎじゃないか?どう見ても、第1世界の真似だよな?」
「よくわかりましたね。
ここは、界王様が第1世界に視察に行かれた際、ショッピングモールを見て、食堂
はこの仕組みを使おうってなったみたいです。
ただ、各職員の故郷の味を食べられるようにしたら、こうなってしまったというの
が、店が多くなった理由ですね。」
そう言えばこの異界にはどれだけの世界が存在するんだ?
第2世界の様にあまり食事をしない世界も当然あるだろうから、全部じゃないに
しても、結構ある筈だよな。
そりゃ、店舗区画と客席エリアが同じになるわな。
何なら、店舗は客席エリアに対して接しているのではなく、縁日の出店みたいに
ずらっと店が並んでおり、奥の店は売り上げが心配になるレベルだ。
職員向けの食堂だから、利益とかは追及しないから良いのかもしれないけど。
おっ、今週のスポットショップは第1世界の料理ってなってる。
しかも、かつ丼、天丼、ローストビーフ丼、ラーメン丼、と言う丼もの・・・?
ラーメン丼ってなんだ?しらんぞ、こんな食べ物。でも興味を引くな・・・。
「おーい、こっちだこっち!水は持って来てあるからな!」
「はーい、今行きまーす。」
「二人共第1世界の食べ物を選んだんですね?」
「あー、俺は天丼が好きなんだよな。月に1度のこの日が楽しみでな。」
「私は、何と言ってもローストビーフ丼です。ずっと出張だったので、1年ぶりに
食べます。今日ここに来れて良かったぁ!」
第一世界でもド定番のモノを選ぶなんて、どれだけ第1世界の食が異界に広まっ
ているんだろうか?
「室長は何を選んだんですか?ラーメン丼?第1世界にありそうでないですよね。
見た目的にはラーメン?いや、チャーシュー丼?ですかね。」
「俺も気にはなっていたんだが、そこまで冒険してみる気が無くてな。ハハハ。」
あっ、これ、ハズレをひいたパターンだ・・・と思っていた時がありました。
「「「ごちそうさまでした。」」」
「あれっ、”ごちそうさまでした”なんて文化、異界には無いんじゃ?」
「いや、第1世界の食べ物を食べたんだから、そこは郷に入っては何とやらさ。」
どんだけ第1世界のことが広まってるんだか。
「それより室長、最初は微妙な顔してましたけど、途中から美味しそうに食べて
ましたけど、味はどうだったんですか?」
「思ったよりイケてた。底にご飯があって、その上に鶏ガラ系のラーメンの味が
よーく染み込んだ茹でた麺が乗っかってて、麺とごはんを一緒に食べると美味!
更に、半熟の卵をつぶして合わせるとさらに美味かったよ。
第1世界では、見たこと無かったな。チェーン店では少なくともお目にかかって
ないけど、アリだよアリ!」
そう、最初はマズったと思ったんだけど、世界初のインスタントラーメンを白米
にバウンドさせて食べた時の、あの味で、懐かしさすら感じてしまった。
あの店誰がやってるんだろ?気になるから、もう一度覗いて行こう。
「いらっしゃ・・・あれ、善行、なんでアンタがこんなところに居るの?」
読んでいただき、ありがとうございます。
語呂的にアリかなと思って書いたのですが、世の中は狭いもので、レシピ系サイト
では結構ラーメン丼ってあるのに驚きです。
今回は食堂編になってしまいましたが、次回は列車がメインになる予定です。




