429.試験は茶番でも努力は無駄にならないようです
-異界管理局-
なぜ綾香がここに。しかも先ほど案内してくれた女性と同じ服装だ。
「室長?どうでした、私の変身ぶり。わからなかったんじゃないですか?
いつものシナリオジャンキーとしての私と違って、魅了されたんじゃないですか?」
まずい、魅了されそうになったことがバレそうだ。
綾香にバレたら、嫁達に筒抜けのような気がする。
そうすると、帰宅後の立場が危うい・・・。
綾香がある部屋の前で、ドアをノックし、中に入る。
「試験ご苦労さん!文句なしの合格だ!やるなーあんちゃん!」
・・・オイラがあんちゃん呼ばわりされてる。
目の前に現れたのは、ごっつい体に、ごっつい手を持つ男。
まるでラノベに出てくる冒険者ギルドのギルマスのようだ。
「室長を捕まえて、あんちゃん呼ばわりはダメですよ、局長!」
「すまんすまん。どうも若いもんをみるとなぁ、つい。
にしても、綾香が考えたあの試験を良く突破できたもんだ。
俺だったら絶対に引っかかる自身が有るがな・・・ガハハハッ。」
豪快なオッサンだ。局長って言うことは、ここのトップ・・・つまり、ここで
一番偉い人ってわけか。
「あのー、筆記試験とか無いんでしょうか?」
「室長、私から説明しますね。
実は、もともと婿加護なんて試験なんて存在しないんです。
ただ、第75世界の界長ロッサーナさんが、ホントにシャーロットを幸せにできる
のか判断したいと相談を受けたんです。
それで、シャーロットさんとか室長の奥方たちに相談して、今回の芝居を打ったと
いうわけなんですよ。」
「じゃぁ、今までの勉強した苦労は何だったんだ・・・。」
「まぁ、婿修業したってことで室長にはプラスになりますし。
何より、奥方のことを考えて、あれだけの誘惑に負けなかったんですから誇ってい
いと思いますよ。」
「そうだぞ、若いうちに苦労しておいた方が良いことも有るしな、努力したことは
いつの日か自分の身になって帰ってくるってもんだ。
そう気を落とすもんじゃないぞ。
それから、コイツは試験合格のご褒美だ。
うちの列車たちと設備を自由に見学して行け!帰りは、キハ81系で送ってやるか
ら安心しろ。
その前に、腹、減ってないか?うちの食堂の飯は美味いぞ。
なんせ、異界中から職員が集まっているから、オジキの命令で各世界の料理を揃え
てあるんだ。」
オジキの命令?オジキって誰だ?局長のさらに上の存在なのか・・・。
「あっ、室長、私から紹介しますね。
この方は界王様の甥にあたります。ユーリアス局長です。」
「ハハハ、ユーリアスだ。オマエさんとは親戚ってことになるな。
これからよろしくな。」
豪快な感じの人だが、悪い人ではなさそうだ。
それより食事も楽しみだし、そのあとの列車とか設備とかが超楽しみだ。
読んでいただき、ありがとうございます。
試験は綾香が考えた茶番だったというオチです。
善行的には試験勉強して得られた知識が、今後の自分の糧になるのではと
思います。それよりも、どんな食事が出るのか考えないと・・・。




