427.約束を胸にキハ81系で試験に向かうようです
-第2世界 自宅地下駅-
「自宅の地下にホームがあるのって、やっぱいいな。
本当は阪急梅田駅みたいに、同じ色の車両がずらって並んでるのが理想なんだろう
けど、うちはそれぞれ違う列車を置いてるからなぁ。」
心の声のつもりが、一人でブツブツと声に出してしまった。
周りには誰も・・・と思ったら、いらっしゃいました。
「善行さんですね。本日の試験会場までお迎えに参りました。」
カレチの白服をビシッと着た男性が、敬礼しながら声をかけてきた。
「あ、ありがとうございます。」
「それにしても、すごいですねこの駅。見たことのない列車ばかりです。
いつか乗務してみたいものです。」
いや、これはオイラを含む嫁達が、思い思いに列車を集めた結果であって、本来
は三途川から走っている天翔本線の313系みたいに、統一した列車を使用するの
が筋なんだけど。
そして、目の前に・・・「キハ81系!」
写真では見たことがあったけど、本物は初めてだ。第1世界のオリジナルじゃな
いから”本物”と言うには語弊があるかもしれないけど・・・。
「ここでキハ81系に乗れるなんて、とっても嬉しいです!」
「善行さん。本日は試験に合格して”嬉しい”と言っていただかないといけません。
帰りもこの列車でお送りしますので、行きは試験前の追い込みをされるのがよろし
いかと。おおよそ1時間30分ほどかかりますので。」
・・・ハハハ、試験のことをすっかり忘れてしまってた。
-第2世界 自宅リビング-
リビングに嫁達が集まっている。セラフィーナさんも一緒だ。
「あなたたち。試験頑張ってって見送らなくても良かったのですか?」
「ママ、善君から恥ずかしいから見送りしないでってお願いされてたでしょ。」
「それはそうだけれど・・・口と行動が伴わないのは、人の常じゃなくって?」
「善行は意外に寂しがり屋だからな。アタシがアイツの体に入り込んでも良かっ
たかけど、バレると試験失格だけじゃなくって、刑罰があるらしいからな。」
「コピ。その通りだぞ。いつもなら、旦那様に勝手に入り込んで付いて行ってしま
うはずだが、今回は良くガマンできたな。」
「あっ、それは、善行と約束したからだぞ。約束の内容は秘密だけど。」
他の嫁達とセラフィーナさんが、約束内容を聞きたくて、頬を膨らませた。
-異界管理局 加護管理課-
「えー、今日は婿加護の試験日です。
本日の試験では対応力試験が行われます。
対応力試験ではキャストとして応援人員が充てられます。
今回のキャストは皆さんご存じ、あの人だそうです。
あの人の試験対応は見てるだけでも楽しいですが、試験に際して、我々は試験官と
して、正しい判定を心がけましょう。では、各自準備にかかってください!」
試験に向け、スタッフが慌ただしく準備を始める。
そんな中、あの人が登場した・・・。
読んでいただき、ありがとうございます。
いよいよ、婿のライセンスを取得すべく、婿加護試験に向かいます。
試験に対応するあの人とは・・・次回に続きます。




