426.試験より列車が気になるようです
-第75世界 界長邸主寝室-
目の前にはエマが二人。そして後ろには豪華なベッド。
”据え膳食わぬは男の恥”なんて言葉もあるけど、今はそんな話じゃない。
どっちが本物かと言うテストをされている。
片方はエマの母親であるセラフィーナさんなのだ。
本当に見分けがつかない・・・。
エマが好きそうなことをよーく思い出す。
ん?あるじゃないか、良いのが。えーと、念じれば作れるよな。薄い本。
「あっ、こんなところに、薄い本が!」
そして、二人のエマの反応を見る・・・二人共、奪い合っている・・・。
失敗かぁ。
よし、これならどうだ。ギミック好きだからな。エマは。
「あっ、こんなところに、見たことも無いガジェットが!」
目の前に文字物体化マシーンを置いた。
そして、二人のエマの反応を見る・・・二人共、なんだーと言う顔だ・・・。
またもや、失敗かぁ。
「善君、こんな見慣れたものを置かれてもつまらないわよ。」
ん、今”善君”って言った。セラフィーナさんだと”善行さん”って呼ぶよな。
「エマ!こっちが本物のエマだ!」
「正解よ!善君。間違えるんじゃないかとヒヤヒヤしたわよ。
じゃぁ、正解のご褒美にここで・・・」
「エマ。ずるいぞ!アタシだって混ざりたいぞ!」
「エマ、私もその祭りに参加する!」
「エマさん、私も参加致しますわ。」
「えーとですね、あなた方。ここは私の寝室なのですけれど。できればそう言った
ことは別でお願いしたいのですけれど。」
界長のロッサーナさんに怒られてしまった・・・。
-第2世界 自宅-
主寝室を追い出され、非常に居づらい状況となったため、自宅に戻って来た。
なぜか、セラフィーナさんも一緒だ。
「えーと、婿加護の試験って、どこで受けられるんでしたっけ?
後のことは自習で何とかしてみます。」
「善君、本気で言ってるの?学校だったら、学校の定期試験とかで代用できるんだ
けど、善君は学校に行ってないから、異界管理局の加護管理課に出向いて試験を受
ける必要があるわね。
毎月第二土曜日の朝9:00から試験があるわ。私もついて行ってあげるわ。
それよりも、次回の試験日に向けて、善君は勉強を進めないと。」
それから3週間、嫁達が代わる代わる講義をしてくれたおかげで、大分理解でき
たつもりだ。そして、今日はいよいよ試験日だ。
「善君。そろそろ出発するわよ。地下に迎えの列車が来てるから。」
迎えの列車?異界管理局の列車はそれぞれの世界に準拠した列車に擬態するよう
に出来ている。第75世界ではICE3 403形に擬態した様に。
あー、テストよりそっちの方が気になるな。どんな列車が来てるんだろ?
読んで頂き、ありがとうございます。
二人のエマは、善行の呼び方で分かってしまうのでした。
善行は試験に出向きますが、どんな列車が迎えに来ているのか。
次回明らかとなります。




