424.アルテウスが荒野で覚悟を決めるようです
-限界領域(ヴェルサリオ国) ???-
金属がすべて失われた空間。
残されたのは、金属以外の瓦礫が散乱する荒れ地。
上空から”食べられる文字が降り注ぎ、地上に激突しては四散する。
その破片を奪い合う人だけが残された。
「どうしてこうなった?・・・俺はどこで、何を間違えたんだ?」
しかし、アルテウスの問いに答える近衛は、もはや誰もいない。
妻もいつの間にか居なくなり、信頼していたセバスもいなくなった。
目の前に広がるのは、ただ荒廃した土地。
「ティアマトめ!
実の父をこのような土地に追いやっただけでは飽き足らず、なお貶めるのか。
覚えていろ・・・いつの日か、必ずオマエに引導を突き付けてやる!
親子の縁はとうに断ち切った。もはやお前は子ではない。
敵として、お前の前に立ちはだかってやる!」
みすぼらしい恰好をし、がりがりに瘦せ細ってはいた。
それでも、その目だけは輝き失わなかった。
-第75世界 界長邸臨時作戦本部-
「界王様ちょっとこちらへ」
オイラは界王様を呼び出して、聞いてみた。
「お母様だけ、こちらの世界に連れてきて問題ないんですか?
奪い返しに来るとか、そういったことは大丈夫なんですか?」
「善君、母を心配してくれてるんだね。ありがとう。」
いえ、オイラが少しでも巻き込まれることを心配してるんです・・・。
「はい。異界の中にも限界領域の協力者は居るっぽいじゃないですか。
だとしたら、そいつらが動き出す可能性もあるのではと思うんです。」
「なるほどね。確かにそれは有り得るね。
ただね、もう限界領域とは連絡することは一切不可能になったんだ。
だから、異界に居る同志が動き出すのは難しいと思うんだよね。
まっ、何か起きるにしても、今すぐってことは無いから。
もちろん、善君がこの件に巻き込まれるとしても、すぐには起きないはずだから
安心して。」
はい、界王様に心の中を読まれてました・・・。
「おばあさま、お久しぶりです。」
「シャーロットも元気そうですね。善君と結婚できて本当に良かったですね。
見合いの度に相手が恐怖の対象としてしまうことは数知れず。
シャーロットには結婚は難しいのではと本気で思っていましたものね。」
「ええ、長い道のりでしたわ。周りはとっくに結婚してしまい、私だけ取り残さ
れた感じがして、毎日焦っていましたもの。
今は、とても心が満たされた感じがして、とても幸せですわ。」
「では、善行さんがどれほど孫を思っているのか試してみましょう。」
え、聞いてないんですけど・・・。
読んでいただき、ありがとうございます。
アルテウスは何か仕掛けるような素振りを見せていますが、
すぐには動くことはできないはずです。
アルテウス自身は動かなくても、配下が何かするかもしれませんが・・・。




