423.ヴェルサリオ国が終焉を迎え、界王は母を迎えるようです
-限界領域(ヴェルサリオ国) ???-
金属と言う金属がロボットたちに捕食され、完全に消え去ってしまった。
かつて近未来的な都市を思わせた姿は、いまや跡形もない。
目の前に広がるのは、建物だった残骸の山。
ガラスやコンクリートの破片が散乱している。
そこへ、上空から”食べられる文字”が降ってくる。
一文字は1m四方の大きさなので、一人で食べるには十分な大きさだ。
味は場所によって変わるよう工夫されており、飽きないように配慮されている。
ただ、それらは1万m上空から地上に時速70キロのスピードで激突する。
文字として読めるような状態ではなく、派手に潰れ破片が四方に散らばるのだ。
「閣下・・・この国も終わりですね・・・」
アルテウスに仕える近衛がボソリとつぶやく。
金属が無くなり、電気を使うこともできない。
第1世界で言うところの原始時代の生活しかできない。
幸いなのは、食料がまがいなりにも供給されている点だ。
再び文字が上空から落下し、地面にぶつかり四散する。
それを、みすぼらしい服装の人々が我先にと奪い合う。
「・・・そう・・・だな・・・」
アルテウスもボソリとつぶやいた。
-第75世界 界長邸臨時作戦本部-
「あなたは・・・確か第7世界のワープゲートでお会いしませんでしたか?」
目の前の女性を見て、そう感じていた。自信はないんだけど。
「よく覚えていましたね。そうです、あの時お会いしましたね。善行さん。」
「私はまだ名乗っていないはずですが、どうしてご存じなんでしょうか?」
「ははは。善君、それは私から説明するよ。」
界王様がオイラと女性の間に割って入って来た。
「私の母だよ。」
「へっ?」
思わず変な声を上げてしまった・・・。
「そうなの、ティアマトの母です。あの時は名乗らずにごめんなさいね。
状況が状況だったので、名乗ることができなかったのよ。
セラフィーナです。よろしくね、善君。」
「母は、限界領域で父が行っていることが、異界に影響しないように色々と尽くし
てくれていたんだけど、さすがに、あの劣悪な環境下ではね。
そこで、界王城で暮らしてもらうことにしたんだ。
今まで色々と頑張ってくれたのだから、これからは親孝行するつもりだよ。」
そう言えば、以前話していた時に、父親の暴君ぶりに呆れ、界王の座を追放した
って聞いたな・・・ってことは、セラフィーナさんはその暴君の奥様?
読んでいただき、ありがとうございます。
限界領域は本来の犯罪者流刑地の姿に戻ったというところでしょうか。
アルテウスもさすがに手も足も出ない状況に追い込まれたと思うのですが・・・。




