422.食べ物は空から降ってくるようです
-限界領域(ヴェルサリオ国) 国王執務室-
「閣下!大変です。支援物資が暴れてます!」
「何を言っているんだ君は?支援物資が暴れるわけないだろう。」
技術長官のルーデリッヒは至って真面目だ。
「支援物資だと言われていたものが、小型ロボットだったんです。
しかも、こいつらが金属を片っ端から食べてるんです。」
どうにもイメージが付かないアルテウスは自分の目で確かめることに。
-限界領域(ヴェルサリオ国) 城下町-
「どうなってるんだこれは!建物が無くなってるじゃないか!」
「そうです。奴らが建物に使っている柱を食べてしまうので、建物が存在できない
んです。我が国の至る所で同じ状況です!」
「金属を食べると言ってたな。建物以外にも被害は出ているのか?」
「はい。それ・・・うわっ・・・」
ルーデリッヒは、返事をしようとしていて急に変な声を上げる。
何事かとアルテウスが見ると、ルーデリッヒに小型ロボットが群がっていた。
1台は30cmぐらいと大きくないが、群れて襲われたら一溜まりもない。
群れていたロボットたちは、四方に散らばった。この間、僅か1分足らず。
「ま、前が、見、見えない!」
ルーデリッヒは眼鏡をしていたが、そのフレームも小型ロボットに食べられ、眼
鏡が消えていた。
見ると衣服が切り刻まれ、財布の中の硬貨、ベルトのバックルなど、本当に金属
という金蔵のみが食べらている状態だ。
「しっかりせんか!なに・・・おわっ・・・・」
四方に散らばっていたロボットたちだが、次の獲物としてアルテウスに狙いを定
め、再び群れて彼を襲ったのだった。
-第75世界 界長邸臨時作戦本部-
「今頃、限界領域は大変なことになっている筈だ。
何しろ、あの子たちを変形させて送り込んだのだから。
国を興すなんて力はもうないはずだ。」
「界王様、一体何を送り込んだんです?教えて下さいよー。」
界王様から事の顛末を聞く。
セバスさんがあそこに残ってたら、間違いなくひもじい思いをしていたはずだ。
何しろ限界領域は、異界とのゲート付近の高さなら辛うじて粒子線が飛んでいる。
すなわち、生命エネルギの供給が可能となる。
しかし、人々が暮らす底の当たりには、粒子線が殆ど飛んでいない。
だから、食事が必要となるのだ。でも、ロボットが金属を食べてしまい、工場は
機能できなくなってしまったはず。と言うことは食糧難となるな。
「あー、そのことだけど。支援物資の中には、本当の支援物資も入れたんだよ。
文字物体化マシーンさ。食料はこれで解決できるからね。」
「でも、界王様。人々が暮らすあたりは素粒子線が殆ど無いから、マシーンが動か
ないのでは?」
「さすがだね。善君。その通りさ。
でもね。文字物体化マシーンが限界領域の高度が高い場所ならば、素粒子線はある
から機能できるよね。
問題は、その高度にどうやって文字物体化マシーンを設置するかってなるじゃん。
そこで、今回は文字物体化マシーンに、スキル開発室謹製の反重力装置を付けてる
んだ。どうよ?」
まぁ、一応考えてるのね。
「でも、そんな高い位置にある文字物体化マシーンにしゃべりかけるのって難しく
ないですか?しかも、文字が物体化した後、どうやって取りに行くんです?」
「大丈V!善君たちの世界に会った音声POPを内蔵したから。
まぁ、ずっとループするから決まった文字しか物体化できないけどね。
あ、あと物体化した文字は、底に目掛けて勝手に落っこちるから、取りに行かなく
ても平気なんだよね。」
いや、これから食べるものが遥か上空から落ちてくるってどうなの?
しかも、地面に激突して文字が粉々になるかもだし。
本当に大丈夫だろうか・・・。
読んでいただき、ありがとうございます。
金属を食べるロボットに、空から降ってくる文字の食べ物。
限界領域は、どうにか生存できる場所として続いて行くようです。




