413.界王様のウィンクでは相手の心は掴めないようです
-限界領域(ヴェルサリオ国) 王城 ゲストルーム-
セバスはアルテウスとの面会を終え、ゲストルームへと通された。
当面の間はこの部屋で生活することになる。
セバスはアルテウスとの面会を思い出し、思わず笑みをこぼす。
「私にこのような才があるとは。早くに気づいていれば、こんなことに巻き込まれ
ずに済んだかもしれませんね・・・。
界王様の作戦は今のところ順調ですね。」
-限界領域(ヴェルサリオ国) 王城 執務室-
アルテウスは焦っていた。
「どうしたら、この局面を乗り越えられるというのだ?
アルバーティン亡き今、技術面で彼女に肩が並ぶものなど居ないと言うのに。
とはいっても、技術陣に頼らざるを得ないな。」
そう言って、アルテウスはボタンを押し、技術長官を呼び出した。
「閣下、どうかなさいましたか?」
「アルバーティンが居ない今、技術陣で一番の実力者は君か?」
「はっ、このルーデリッヒだと自負しております!」
「では、君に尋ねる。ワープゲートが勝手に拡大を続けているのは知っているか?
以前は人しか通せなかったが、今では列車を通すこともできるようになった。
だが、アルバーティンはワープゲートの拡大機能停止を指示する前に亡くなった。
このままではワープゲートに接している土地や町などが吞み込まれ、やがてこの
国全体が呑み込まれ消滅してしまうのだぞ。
君はどんな手を打つつもりなのだ?」
「閣下、ワープゲートに接している町が呑み込まれたとしても、異界に吐き出さ
れます。つまりは、我々の国が呑み込まれれば、この空間から脱出できることに
相成ります。」
「アルバーティンが言っていた通りだ。君は彼女の足元にも及ばない。
確かに君の言うことも一理あるだろう。しかし、ワープゲートはワープ先の座標
設定まで正確に行う必要があることを君は知っているのか?
彼女は自動で座標設定を行える機能を装備していたのだよ。
だが、ワープゲート自身が拡大した際、その機能が装置拡大に耐え切れず、破損
しているのだよ。つまり、今のワープゲートではどこと繋がっているのか不明な
状態なのだ。それでも、吞み込まれる時を待てと言うのかね?」
アルテウスのコメントに、ルーデリッヒは顔面蒼白となった。
-界王城 界王執務室-
「完全に孤立させるって言ってましたけど、どうやるんです?
界王様、勿体ぶらないで、教えて下さいよ。」
「しょうがないなー。なーに、簡単なことだよ。
ワープゲートは制御不能になっているって吹き込んだのさ。
もちろん嘘だけどね。」
界王様はそう言って、オイラにウィンクしてきた。気持ち悪っ・・・。
読んでいただき、ありがとうございます。
ワープゲートが制御不能だとアルテウスに伝えれば、ワープゲートを放棄する
方向に進むのではと界王様が考えたのです。
幸いセバスはアルテウスと繋がりがあると分かったので、界王様はセバスに伝令
を任せたのですが、この先上手く行くのか・・・。




