412.二度と戻れないと知りながら罪を償うようです
-限界領域(ヴェルサリオ国) 中央駅-
鉄道が止まり、駅構内が喧騒に包まれている中で、一人だけ明らかにこの世界の
住民ではない男が佇んでいた。
この男は、駅に着くと、駅職員を捕まえ持っていた通行手形を見せた。
その手形を見た職員は慌てて事務所の方に行き、非常用通信で連絡を入れる。
そして待つこと、10分。
「セバスさんですね。国王がお会いになります。」
そう言って、軍服に身を包んだ男が接触する。セバスはゆっくりと頷く。
男に誘導され、駅前に止めていた、公用エアカーに乗り込んだ。
近未来都市の様相を呈しているが、通信も物流もストップすると、これほどまで
に混乱するのかと思わせるほど、道路は人と荷物を積んだ車で溢れかえっていた。
そんな中、セバスが乗ったエアカーは上空に飛び、王城に5分ほどで到着した。
-限界領域(ヴェルサリオ国) 王城-
セバスが連れてこられた謁見の間。
アルテウスが好きなヨーロッパの城をそれを真似て作られている。
高い天井と広い床。そして、玉座を中心とした豪華な装飾。
「国王陛下のおなり!」
謁見の間に配備された兵士たちは、俗にいう一色で統一された軍服ではなく、
赤、白、青などを使用した華やかな軍服を着ている。
その中で、赤色のジャケットを着た兵士が軍隊ラッパを奏でる。
「よくぞ手伝ってくれている。セバスよ!感謝する!」
「はっ。勿体なきお言葉。」
「ところで、急にこちらを訪れたのには、火急の要件とのことだが?」
「はっ。閣下に至急お耳に入れるべく、取り急ぎ参上した次第です。
実は・・・。」
「なんだと・・・。」
-界王城 界王執務室-
「界王様、誰を呼んだというんです?」
「セバス君だよ。呼んだというか、もう、彼には限界領域に行ってもらってるんだ
けどね。」
「彼に何をさせようとしてるんです?それに、彼を信用しても良いんですか?
元々、彼は限界領域側の人ですよね?」
「それは大丈夫だよ。万が一、彼が裏切ったら、どれだけの人が異界から消えなけ
ればならないか。それは、彼が一番よく分かっているのだからね。」
「で、彼に何をさせるんです?」
「限界領域を完全に孤立させる。その役目を担って彼は限界領域へと向かったよ。
二度と異界の地を踏めないことを承知してね。
彼なりの罪の償い方と言ったところだね。」
読んでいただき、ありがとうございます。
セバスは界王と取引したようです、
彼が限界領域に行き、何やら仕掛ける。罪の代償としてと言うことです。




