411.限界領域ではパニックが起きているようです
ー限界領域(ヴェルサリオ国) 王城-
「いったい何が起こったというのだ!」
「閣下、実験場にて持ち込まれた荷物が爆発。
残念ながら、その場に居合わせた者に生存者はおりませんでした。
また、実験場が大破したため、研究開発が完全に停止いたしました。」
アルテウスは考えた。爆発の影響は実験場だけ。
そして、その関係者は全て口が封じられた状態。隠ぺいできると。
そう考え、この件の対応は何とかなるだろうと思って胸をなでおろした。
「閣下、もう一つ報告すべき事項が有ります。」
「申してみよ!」
「はっ。実験場が爆発した際に、通信系統に異常なウィルスが撒かれたようです。
現在、全ての列車の運行が再開できない状態であり、物流が完全にストップして
おります。」
何たることだ!通信も物流もダメだと!
それでは、国の歯車である国民が使えなくなってしまうではないか!
「復旧までどれぐらいかかるんだ!国民が使えなくなってしまうではないか!」
「閣下、今なんと?」
「いや、間違えたな。国民保護を最優先に!物資が届いていない地域へは、急ぎ
軍による救援物資の輸送を開始せよ!」
アルテウスは、つい本音が出たことを後悔し、慌てて、善意の国王のフリを
して、この場のやり取りを無かったことにしようとした。
-界王城 界王執務室-
「界王様、限界領域で爆発ってどういう事なんですか?」
「本来、第75世界 中央駅を15:00に発車する列車に、偽物の部品を渡し
たからなぁ。それが上手く計画通り、進んでいることは把握していたのだが、
先ほど限界領域で爆発が観測されたんだ。
これって、どう考えても偽物の部品が限界領域に運ばれ、使用されたと考えるの
が筋だよね。」
そうだな。確かに、あの列車に届けた部品が爆発物だったら、有り得るな。
と言うことは、少なからず限界領域にダメージが与えられたことになる。
「界王様、乗り込むチャンスでは?」
「うん、確かに、今ほど限界領域へ乗り込む絶好の機会はないね。
だけど、乗り込んでどうする気なんだい?
まぁ、こうなることを見越して、彼を呼んでいるんだけどね。」
界王様はそう言うと、片目でウィンクしてきた。
読んでいただき、ありがとうございます。
界王様も限界領域に何か仕掛けるなら今だと判断しているみたいです。
ただ、普通に仕掛けるのではなく、誰かを使うみたいですが・・・。




