407.運転手が居なくても勝手に進むようです
-???-
「よし、これで我が領土に戻ってこれたな。約束のモノは持って来たか?」
ベージュのトレンチコートを着込み、ベージュのシルクハットを被った、腰まで
伸びた銀髪の男がティムシーの前に立ちはだかる。
「確かに持って来た。これだ。それより家族は無事なんだろうな?」
「フン。お前の家族のことは俺にはわからないさ。
だが、お前が俺たちのことを裏切ったなら、確実に会えないだけのことさ。
さぁ、黙ってブツを寄こしな!」
ティムシーは渋々、男に持って来たものを渡した。
男はニヤリと笑みを浮かべて受け取った。
「そうそう、大事だぜ、素直に言うことを聞くのがな!
どうせ、俺たちには何もできやしないんだ。
おとなしく、指示したものを持ってくれば、いつか家族に再開するチャンスが来
るかもしれねーしな!ハッハッハッ。」
そう言うと、男は2号車のデッキに向かって歩いて行った。
どうやら、列車から降りる準備をしている。
その時、車内放送が流れた。
「乗客の皆さま。間もなく当列車は三途川駅に到着致します。
お降りの方はお忘れ物の無いように、今一度ご確認下さい。
3番線に到着、お出口は右側となります。」
「おい、どうなってやがる。いつもの通りなら今頃、中央駅に着くはずだろが。
三途川なんて駅はヴェルサリオ国には存在しないぞ!」
「お客様どうなさいましたか?」
「テメーは何もんだ?その制服はこの列車の乗務員だな。」
「はい、当列車の運転手です。どうされました?」
「どうされましたじゃねーよ。なんでゲートを通ったのに中央駅に着かないんだ?
いや、それよりもだ、この列車誰が運転してるんだ?
そ、そうか、他にも運転手が居るんだな。だからお前がここに居るのか。」
「いえ、当列車には運転手は私だけですよ。」
「おい、もうすぐ駅なんだよな。誰がこの列車止めるんだ?」
「それはお客様の返答次第・・・となりますね。」
と運転手の恰好をした界王様が言ったのち、トレンチコートの男は気絶した。
-第75世界 界長邸臨時作戦本部-
「コピ、三途川駅に到着したら、列車の制御装置との融合解除して良いぞ!」
「善行、さっきの男の記憶については調べ終わったから、そっちの端末で見れる
と思うぞ。」
エマが制御卓のキーボードを操作し、スクリーンにコピから送られてきた情報
を映し出す。
「これ、この男の記憶みたいね。」
第75世界 中央駅を出発した列車が一瞬白い煙に覆われる。
その瞬間、乗客たちは全員、気を失う。
列車はそのまま走行を続け、突如現れたワープゲートに列車が突っ込んで行き
、第75世界の線路から列車は姿を消す。
だが、10分後、列車は何事も無かったかのように、第75線路の上を走行し
ている。
「白い煙は睡眠ガスなのか?そして、ワープゲートが突然現れているけど、どう
やってワープゲートが出現しているんだ?その辺が分かるデータは無い?」
「コピからの情報だけではわからないわね。」
こりゃ、界王様があの男からどこまで情報を引き出せるかにかかってるな。
読んでいただき、ありがとうございます。
第75世界の列車を一時的に限界領域に引き込んでいた、と言うことが
分かりました。ただ、どうやってワープゲートが現れたのか?など、謎が
多い状態です。この後、徐々に明らかになっていきます。




