406.界王様が運転するようです
-第75世界 界長邸臨時作戦本部-
「善君、聞こえるかい?」
大型スクリーンの横から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
スクリーン上には8両分の車内の映像が映し出されている。
そして、先頭車の運転席から振り返りざまに手を振る運転手?が映っている。
あれ、もしかして・・・界王様?・・・。
「何してるんですか、界王様?遊びじゃないんですよ!」
「善君、さすがに遊びじゃないことぐらい私だって分かってるよ。」
「だいたい界王様、運転できるんですか?」
「それ聞いちゃう?異界の運転手界隈ではちょっとは有名なんだけどな。
ほら、ちゃんと運転の加護だって持ってるんだよ。」
いや、この全ての世界を統べる人が加護とか言ってちゃダメでしょ。
加護を与える方なら、いざ知らず・・・。
そして、カメラが遠すぎて加護証、もとい、運転免許証が見えない。
「善行、じっちゃんはアタシと違って、運転上手いんだから安心しろ。」
「いや、今はコピがその列車の制御装置と融合してるんだろ?
ってことは、コピがその列車を運転するようなものじゃないのか?」
あ、今界王様が、やべーって顔したぞ。
「だ、大丈夫だ、ぞ、善行。いざと言う時以外は、アタシはこの列車を制御しない
様にするから。あ、安心、しろ。」
そんな、しどろもどろで言われても全然安心できないが、こちらから何もできな
いから、界王様とコピに任せるしかない。
そうこうしている内にドアが開き、乗客が乗り込んできた。
ティムシーさんは2号車に乗り込んだ。
15:00丁度になり、列車が出発した。第75世界の列車はどこからどことい
うのではなく、複数の環状線で構成されており、全て列車ともこの中央駅から発車
し、中央駅に戻ってくるのだ。
従って、任意の目的地を目指すのであれば、その目的地がどの環状線が通ってい
るのか把握したうえで列車を利用する必要がある。
便利なのは、どの環状線を走るのかは、発車する時間による。
毎時00分は第一環状線、10分発は第二環状線・・・などである。
今回の列車は15:00丁度発なので、第一環状線を走る列車だ。
ティムシーさんの様子を見るが、何者かが接触してくる様子はない。
が、運転席の様子は慌ただしくなっている。
「善行。予定通りで良いんだな。行ってくる!」
コピの言葉を最後に、界王様が運転する列車は第75世界の線路から消えた。
読んでいただき、ありがとうございます。
作戦行動を開始しましたが、いきなり第75世界から、コピ達の列車は姿
を消してしまいました。
消えた理由はアレを使ったからです。




