404.見えないところで侵攻してきているようです
-第75世界 職人街-
ティムシーに話を聞き以下のことが判明した。
・家族を何者かに攫われたこと。
・何者かから定期的に接触があること。
・何者かから家族の命を守りたければ、要求された部品を作り、納めること。
「ティムシーよ。よくぞ、本当のことを話してくれた。礼を言う。
そして、我が世界の住民に、そのような重荷を背負わせていたとは。
本当にすまない。私が至らないせいで、お主には本当に迷惑を掛けてしまった。
謝罪させてもらう。」
そして、ロッサーナさんがティムシーに向き、深いカーテシーをした。
「ロッサーナだけでなく、私からも謝罪させてもらうよ、ティムシー君。」
ロッサーナさんの隣で、界王様が深々と頭を下げた。
「謝罪の気持ちは受け取りましょう。
でも、家族をどうにかして助けてくれないだろうか?
このままでは理性を失って、トンデモナイことを起こしてしまいそうだ。」
ティムシーさんの気持ちはわかるな。
オイラだって、いきなりエマたちがどこかに連れ去られたら、取り戻すために
相当な無茶をするだろうし・・・できる自信はないけど・・・。
「ティムシーさん、その何者かから今度接触があるのはいつですか?」
「明日の15:00だ。場所は中央駅から出る列車の中だ。
前回の接触で、この部品を作るように言われ、手渡すことになっているんだ。」
「接触の時現れるのは一人ですか、それとも複数人ですか?」
「最初は複数人だったが、最近は一人だな。
残念ながら顔は分からないんだ。顔を見ようとしても、何かに阻害されている様に
ボヤけて見えるんだ。」
「ロッサーナさん。
知られないように列車に仕掛けを施したいんですけど、可能ですか?」
ロッサーナさんは、静かにサムズアップした。
-第75世界 貨物駅車庫-
「おーい、後はやっておくから、お前さんはあがってくれ!」
「そいつは助かる。悪いが、よろしく頼む!」
ここは第75世界中央駅に隣接した貨物駅の外れにある。
車庫内では明日の貨物列車のために、貨車の組み換え作業を行っている。
と言っても、人力ではなく、念じることで瞬間移動させ、組み換えを行う。
そして、車庫の奥、3番線路には、この男が偽装した限界領域へのワープゲート
が設置されている。
同僚が居なくなり、車庫内に誰もいないことを確認する。
ワープゲートに押し込む貨車を3番線路に集め、押し込むための機関車も念じる
ことで移動させる。
機関車は素粒子線でモーターを回すタイプなので、静かに動くことができる。
だから、車庫内で動かしたとしても、車庫の外は気が付かないのだ。
もっとも、同僚が居る時から、整備用の機械を動かし、そちらの音で周りの音が
聞こえないようにしていたから、多少の音なら、周囲に気づかれる心配はない。
「よし、一気に送るぞ。」
そう言いながら3番線路の4両の貨車を機関車でワープゲートに押し込んだ。
10分後、ワープゲートの赤ランプが周囲に遠慮しながら光り出す。
そして貨車4両は戻ってきた。
「チキショー、あんな奴らに関わらなければ、俺も家族を不幸にすることも無かっ
たんだけどなー。」
そう、この男もティムシー同様に、家族を何者かに攫われ、ワープゲートを使っ
て荷物の送りこみをさせられているのだった。
「無事でいてくれよ・・・。」
「大丈夫です。必ずあなたの家族も救い出しますから!」
彼の目の前には、界長であるロッサーナが立っていた。
読んでいただき、ありがとうございます。
界長ロッサーナの目の届かいない場所で、限界領域からの影響が
浸透し始めています。
ロッサーナ、界王様がどのように限界領域に挑むのか。
少しずつ明らかになっていきます。




